日々、様々な情報を届けているメディアの1つ、ラジオで、欠かせないのが「音」。今回は「SE」(サウンドエフェクト)について、普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ラジオやテレビ番組の中で使われているドラムロールや、クイズの出題前に流れる「ジャン」、 正解したときの「ピンポン」などの音をSE(サウンドエフェクト)と言います。最近は、個人でもYouTubeなどで動画編集を行う機会が増え、SEを使った音響効果を身近に感じている人も多いのではないでしょうか。
SEは効果音のことで、実際に環境音を録って加工したり、シンセサイザーなどの楽器を用いて作成したりします。また、効果音の音源が収録されたCDや、インターネットでダウンロードして購入できるもの、無料で配信されているものもあります。
プロの放送現場でもSEは多用されています。例えばラジオドラマで「商店街のシーン」があった場合には「商店街の雑踏」というような効果音を使用する場合もありますが、ザワザワという雑踏音に、シンセサイザーで作った豆腐屋のラッパの音を組み合わせるなどして、少しレトロな商店街を演出することもあります。実際に街で豆腐屋を見かけることは少なくても、豆腐屋のラッパの音を聞くと、その風景が浮かんでくるものです。
テレビアニメ『波よ聞いてくれ』(2020年4月~6月にMBS、TBS、BS-TBS、HBCなどで放送 原作・沙村広明)は北海道札幌市のラジオ局が舞台になったストーリーで、作中にラジオドラマを生放送するシーンがあります。作中に出てくる「音効」のキャラクターは、嵐のシーンでの雨の音や、土を掘る音のSEをスタジオで実演し、放送します。放送機材やスタジオワークの演出など、“技術目線”で観てもおもしろい作品になっています。
楽曲にもSEは多用されています。例えばビートルズの「Back in the U.S.S.R.」にはイントロから飛行機の離陸音が入っています。また「Good Morning Good Morning」にはコケコッコーというニワトリの鳴き声。そして「Hey Bulldog」には犬の鳴き声が入っていますが、これは本物の犬ではなくポール・マッカートニーが犬の声を真似ているようです。
神戸のラジオ局、ラジオ関西のレコード室には、音楽CDの他に、様々な効果音が入ったCDがそろえられています。そのなかの1つ、効果音大全集「人間」(キングレコード)というCDには、拍手や、ラーメンを食べる音、笑い声など、人間の動作に関する様々なSEが入っています。他にもスポーツに関するSEや、電車などの乗り物、波や風の環境音など、テーマに分かれた効果音CDが準備されています。
もし興味がある方は、番組にハガキでおたよりをお待ちしています。
宛先 〒650-8580 ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』
ラジオ関西技術センターがお送りする番組で、あなたの質問が読まれるかも……!