ホテルなどに行ったときにアンティーク食器が飾られていて、オシャレで見入ってしまった経験はないだろうか。家でもうまく飾ることができたら毎日の生活が華やかなものになるのでは・・・。そんな妄想をしつつも、どういう使い方をすればいいのか不安になり、やめてしまう人も多いという。イギリスのアンティーク食器を扱う「ハミングバード」(神戸・六甲アイランド)でオーナーを務める倉増悦子さんに、生活にうまく取り入れる方法について教えてもらった。
「アンティークと聞くと少し身構えてしまい、どう使えばいいのか不安だという声をよく聞きます。でも、全く身構える必要はありません。飾ってもいいですし、実際に使ってもいいですし、とにかく自由に使ってください。普段使いの食器と合わせても引き立つので、ポイントで使うのもオススメです。例えば小さなお皿の場合ですと、友達が家に来るときなどに小さなせっけんをその上に載せ、洗面台のコーナーに飾ったりしたら喜ばれますよ」(倉増さん)
倉増さん自身もアンティーク食器を自由な発想で使っている。「シュガーボウル」と「ミルクジャグ」という普通は砂糖とミルクを入れる食器を、家でそうめんを食べるときに麺とつゆを入れる器にすることもあるそうだ。他にもヨーグルトや煎茶を入れるために使うこともあれば、お花を飾ることも。イギリスのアンティーク食器は、和のものと組み合わせてもしっかりとマッチするという。
店内にはあまり他では手に入らないものも置いてあるということで見せてもらった。
「20世紀を代表するイギリスの女性陶器デザイナー・スージー・クーパーの食器ですが、今は簡単には手に入りません。本も数冊出ているほど有名な方ですが、優しい色合いと温かさが人を惹きつけるのでしょう。現エリザベス女王のお母さんが『スージー・クーパーがない家は完璧ではないわ』と言ったほど、王室の方々にも人気がある品です」
また、2020年公開の映画「スパイの妻」(黒沢清監督作品)でスージー・クーパーの食器を使わせてほしいと依頼があり、蒼井優さん、高橋一生さんに使ってもらったことも。