兵庫県は24日、6月7日~13日の1週間に、新たに13人(神戸市以外)が、デルタ株(インドで初めて確認された変異ウイルス)などに見られる「L452R変異ウイルス」に感染したと発表した。このうち9件は、ゲノム検査の結果デルタ株と確定。12人はすでに回復して療養期間を終えたが、1人は入院中という。全員に渡航歴がなく、これまでに要請となった人と直接的・間接的に接触していない。県の担当者は「県内に、複数の感染源がある可能性がある」と、市中感染の可能性に触れた。これで兵庫県内でL452R変異株の感染者は計30人(~6月13日)になった。
新たに感染がわかった13人のうち8人は、兵庫県内で変異ウイルスのクラスター(感染者集団)として初めて認定された加東健康福祉事務所管内の工場の職員やその接触者(20~60代の男女)だった。残る5人のうち4人(20~30代女性)は同居していたという(居住地は公表せず)。県は6月7日~13日の1週間に陽性となった199人の患者のうち、26の検体を検査。その中で半数の13検体がL452R変異株に感染していたが、県の担当者は、「今はまだ検査数が少なく、(50%の陽性割合は)県の感染状況をすべて反映したものとは言い切れない」と述べた。県は国からの通知に基づき、デルタ株の監視を強化する考えで、L452R変異ウイルスについてPCR検査の件数を増やしていく方針。