西宮市の障害者施設・入所者に虐待の元職員「ストレス“はけ口”の筋合いなし」懲役2年4か月実刑 神戸地裁尼崎支部 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

西宮市の障害者施設・入所者に虐待の元職員「ストレス“はけ口”の筋合いなし」懲役2年4か月実刑 神戸地裁尼崎支部

LINEで送る

この記事の写真を見る(3枚)

 兵庫県西宮市の障害者支援施設で、入所していた重度の身体、知的障害のある5人を虐待したとして、傷害や暴行などの罪に問われた元職員の男(33)に対し、神戸地裁尼崎支部は28日、(求刑・懲役3年6か月)を言い渡した。

開廷前の神戸地裁尼崎支部・法廷<※代表撮影 2021年6月28日>
開廷前の神戸地裁尼崎支部・法廷<※代表撮影 2021年6月28日>

 起訴状によると、元職員の男は2020年6~7月、20代~50代の入所者5人に平手打ちや蹴り、頭突きをするなど27回にわたり暴行。このうち寝たきりの男性(53)の顔面を床に打ち付け、右目の周りにけがをさせたなどとされ、公判で元職員は起訴内容を認めていた。

 検察側は、男が少なくとも犯行1年前からストレス発散のために暴行を繰り返し、常習性が認められると指摘。「被害者が抵抗できず、被害を伝えることができないのをを悪用しており卑劣だ」とする一方、弁護側は、元職員が今後は介護の仕事をするつもりはなく、反省もしているとして執行猶予付き判決を求めていた。

神戸地裁尼崎支部「入所者にストレスのはけ口となる筋合いはない」と指摘
神戸地裁尼崎支部「入所者にストレスのはけ口となる筋合いはない」と指摘

 神戸地裁尼崎支部は判決で 、「病室という閉鎖的空間で、抵抗できない社会的弱者へ犯行を繰り返しており、絶対的優位にある立場での暴行は常習性も高かった」と指摘、「被告の日常的なストレスやいら立ちのはけ口とされる筋合いは全くなく、犯行に至る経緯や動機に酌量の余地はない」として懲役2年4か月を言い渡した。

裁判官は常習的暴行と認め「病室という閉鎖的空間、絶対的優位な立場での犯行」とした<※代表撮影 2021年6月28日>
裁判官は常習的暴行と認め「病室という閉鎖的空間、絶対的優位な立場での犯行」とした<※代表撮影 2021年6月28日>

 施設側は2020年8月、 計10人の入所者への虐待を認定し、男を懲戒解雇している。

LINEで送る

関連記事