「ハンカチと替えのマスクがいるほど涙」 長野オリンピック「日の丸飛行隊」をめぐる実話に心が震えた | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「ハンカチと替えのマスクがいるほど涙」 長野オリンピック「日の丸飛行隊」をめぐる実話に心が震えた

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 一度、オリンピックというひのき舞台に上がった経験を持つ選手にとって、それはプライド的にも耐え難い仕事に違いない。それでもテストジャンパーの監督、神崎幸一(古田新太)に請われ、1歳年上の姉さん女房の妻・幸枝(土屋太鳳)もすべてを分かった上で後押しし、西方は参加する。

 彼を待っていたのは、聴覚障害を抱えながらも国際大会で優勝の経験を持つ高橋竜二(山田裕貴)、実力派のジャンパーながらケガのトラウマを抱えた南川崇(眞栄田郷敦)、まだ女子に門戸が開かれていなかった当時、そういう形でしかオリンピックに参加できず、メダルのためでも日の丸のためでもなく、ただ自分のために飛びたいと目を輝かせる小林賀子(小坂菜緒)ら24人だった。

 それぞれがいろんな思いを持ちながら迎えた本番の日、天候の悪化もあり、団体戦1本目のジャンプで、日本はなんと4位。

 西方の悔しい思いを人一倍わかっている原田雅彦(濱津隆之)は、どうしてもリレハンメルの仲間と共に金メダルを手にしたいと、思いを強くしていた。けれど猛吹雪で競技は中断され、メダルの可能性が消えそうになったとき、「25名のテストジャンパー全員が無事に飛ぶことが出来たら競技を再開する」という審判員のジャッジ。いちるの望みをつないで、“ソウルとパッション”を胸にジャンプ台にむかうテストジャンパーたち。

©2021映画『ヒノマルソウル』製作委員会

 監督は小説家、舞台演出家としての顔も持つ飯塚健。2020年6月に予定されていたこの作品の公開が1年延びたため、今年は『FUNNY BUNNY』に続いて2本の作品が封切られることに。

 企画プロデュースは『余命1ヶ月の花嫁』『抱きしめたいー真実の物語―』など、数々の実話の映画化を手がけてきた平野隆。

 西方の挫折と再生、25人のテストジャンパーの献身に心打たれ、映画化に動いたという。

 南川は架空の人物だが、ほとんどの役が実在の人物というのは、演じる側にとっても観る側にとってもイメージが先行するだけに難しいところもある。けれど、田中圭はエキストラで出演した親族も似ているといい、『カメラを止めるな』で一躍有名になった濱津隆之扮する原田雅彦は完コピと言ってもいいほどの役作り。コピーと言えば、衣裳も生地まで当時のものを再現するというこだわりぶり。

 まさに“事実は小説より奇なり”を地でいった感のあるこのストーリー展開。原田選手の『俺じゃないよ。みんななんだ、みんな』という言葉の裏にこんなドラマが隠されていたなんて……と心が震えて涙。


◆「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」
キャスト:
田中圭 土屋太鳳 山田裕貴 眞栄田郷敦 小坂菜緒(日向坂46)
濱津隆之 / 古田新太
監督:飯塚健
脚本:杉原憲明 鈴木謙一
主題歌:MISIA「想いはらはらと」(Sony Music Labels)
挿入歌:MAN WITH A MISSION「Perfect Clarity」(Sony Music Labels)
企画プロデュース:平野 隆
製作:「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」製作委員会
配給:東宝
(C)2021映画『ヒノマルソウル』製作委員会
【公式サイト】

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