―――そこから「芸人になろう」というスイッチが入ったのはなぜですか?
【ヒコロヒー】これといったきっかけがあったわけじゃないんです。でも、ライブで共演した先輩たちが影響しているかもしれません。当時よくインディーズライブに出させてもらってたんですけど、それが吉本の芸人さんが主催されてるライブだったんです。今でこそ「このメンバーはすごい」ってなりますけど、当時はまだ無名だったヒューマン中村さんとか、三浦マイルドさん、おいでやす小田さんとかが出てらして。そういう先輩たちとご一緒させていただいて、ピン芸人の面白さや楽しさみたいなことを感じたんですよね。ピン芸人ってすごく難しいと思うんですけど、だからこそやりがいがあるというか。大変だけど、逆に言うとすごく自由やし。そういうところに魅力を感じたんですかね。
◆東京進出、そしてブレイク中の今の生活「楽しい」
―――ヒコロヒーさんは、ここ1~2年で急激にメディア出演が増えた印象があります。なにがきっかけで仕事が増えたか、ご自身では覚えていますか?
【ヒコロヒー】『ゴッドタン』(テレビ東京)とか『有田ジェネレーション』(TBSテレビ)に出させていただいてから、仕事が増えたと思います。その直後に『TimeTree』(スケジュール共有カレンダー)が仕事で埋まるようになったので、仕事の増加が可視化できましたね。
―――春からは『キョコロヒー』(テレビ朝日)が始まるなど、最近もかなりお忙しい日々を過ごしているのではと思います。今の生活はいかがですか?
【ヒコロヒー】良いと思います。忙しいですけど、嫌じゃないですね。大阪から東京に来たときは、もっと悲惨な未来が待っていると思ってたんですよ。すぐ売れなくて当然だと思ってたし、早く売れたいけど、それよりもちゃんと実力をつけることが大事だと思っていたので。昔の自分がなにを理想にしていたのかあんまり覚えてないですけど、今の生活は楽しいです。
―――ちなみにヒコロヒーさんにとって「売れる」ってどういうことだと思いますか?「ゴールデンで冠番組を持つ」「豪邸に住む」などそれぞれ定義があると思うのですが……。
【ヒコロヒー】私にとっては、「世間様に認めていただく」ことですね。売れる・売れないは芸人側が決められるものではないというか。何をもって認めてもらえるのか分からないですけどね……たとえば、地方でも道で会ったら気付いてもらって「あ、ヒコロヒーや」って話しかけたくなるくらい愛していただける、とかですかね。