政府、一転して”酒類取引停止要請”も撤回 ”金融機関から働きかけ”に続き 混乱と怒りの飲食業…西村大臣発言がもたらした”不信と不安” | ラジトピ ラジオ関西トピックス

政府、一転して”酒類取引停止要請”も撤回 ”金融機関から働きかけ”に続き 混乱と怒りの飲食業…西村大臣発言がもたらした”不信と不安”

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①金融機関に飲食店への融資を止めると双方にとってマイナス。
②酒類販売業者へ取引停止要請をかけると、こちらも双方にとってマイナス。
③酒販業者の売上が下がると、消費税、法人税、一般企業には無い酒税等、税収が下がる。

行政機関からの“お墨付き”「感染防止認証ステッカー」申請もステッカー交付は申請全体のわずか0.5%(2021年7月 大阪府内)
行政機関からの“お墨付き”「感染防止認証ステッカー」申請もステッカー交付は申請全体のわずか0.5%(2021年7月 大阪府内)

 コロナ禍で多くの飲食店が大打撃を受けたことは周知の事実です。要請に応じない理由の多くは、このままでは店が潰れてしまうから。感染者数を増やして病床数をひっ迫させたいとなんて、誰も思っていません。ただ、要請無視して開けたところで経営がピンチな状態にある飲食店は、現金の流れ=キャッシュフローが悪化しているところが多いので、金融機関から融資を受けることもあると思います。それを止めるってのは、命を絶たれるのに等しいと思うんですよ。

 酒類販売業者との取引停止を要請する政府は、飲食店よりも酒類販売業者のほうが大きな打撃を受けていることを知らないのか、ただただ呆れます。飲食店の経営が危ないということは、業務用酒類の販売をメインとする酒屋さんはもっと苦しいのです。協力金を少しもらったとしても、ほとんどが「焼け石に水」です。

”家飲み”増加も”ブルーオーシャン(競争相手のいない未開拓の市場)”とも言い切れない酒類販売市場
”家飲み”増加も”ブルーオーシャン(競争相手のいない未開拓の市場)”とも言い切れない酒類販売市場

 多くの酒屋さんも飲食店も、生き残るために必死です。そうそう、酒屋さんがウチに集金に来た際にいろいろと話してくれました。ドラッグストアや大手スーパー、店頭販売をメインとした酒類販売業と違って、業務用の酒類販売をメインとしてきた”酒屋さん”は飲食店と一蓮托生です。前年比9割もマイナスとなったとなった売上をインターネット通販などでカバーしようとしてるようですが、家飲みが増えたといえ、ブルーオーシャン(競争相手のいない未開拓の市場)とも言い切れない市場なので、思ったような利益が出ないようです。業績悪化が長く続きすぎて、商売に対する情熱も失せてきている。
 今後は新しい事業部を作ったり、別会社を作って新たなキャッシュポイントを作るか、人員整理を含めた事業の再構築を進めるか、またその両方か、と考えているそうです。前向きに考えようと努力しているようですが、手詰まり感もあるようで、表情は明るくはありませんでした。

歓楽街のはずれに「テナント募集中」の表示が目立つ(2021年6月 京都市内)
歓楽街のはずれに「テナント募集中」の表示が目立つ(2021年6月 京都市内)

 政府が何か新たな戦略を立てるにも、病床数のひっ迫をタテに、とにかく酒が悪い、酒類を提供する飲食店が感染源というような「酒圧力」ともいえる、いじめの構造に近いものがあると思います。

 そもそもですが、飲酒による感染拡大があるとして、そこを叩くんであれば、詳細な調査をしてエビデンス(根拠や証拠)を提示してからだと思います。クラスター発生源でいうと飲食店の割合は比較的少ないというデータがあるにもかかわらず飲酒を規制する根拠を示していない。酒類を提供する飲食店がスケープゴートにされて消えていく。

「東京五輪開幕直前、巷(ちまた)の飲食業は「おもてなし」すらできない皮肉な結果に」(兵庫県姫路市内)
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