「アフターコロナ、再び神戸港が賑わう日が」福田敏行・第87代神戸税関長が着任会見 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「アフターコロナ、再び神戸港が賑わう日が」福田敏行・第87代神戸税関長が着任会見

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 神戸税関・第87代税関長に福田敏行氏(59)が7月8日付で着任した。会見で「テロ対策」「覚せい剤などの不正薬物の密輸の防止」などを課題に挙げた。福田税関長は神奈川県横浜市出身。中央大学経済学部を卒業後、1986年に当時の大蔵省へ入庁、関税局や東京・函館・門司の各税関で勤務した。

福田敏行・第87代神戸税関長<2021年7月12日・神戸市中央区 神戸税関>
福田敏行・第87代神戸税関長<2021年7月12日・神戸市中央区 神戸税関>

 安全安心な社会を目指したいと話す福田税関長は、まず不正薬物について、新型コロナウイルス感染拡大に伴う入国制限で、海外組織などからの流入が大きく減少したものの、押収量は5年連続で全国で1トンを超えたことに触れた。財務省も「極めて深刻な状況」と指摘する。

 財務省関税局在籍時代の2019年6月、静岡県南伊豆市の港で船舶から覚醒剤約1トン(末端価格約600億円)が見つかり、中国籍の男7人が逮捕された事件や同年12月に熊本県天草市の港に接岸した船で覚醒剤600キロ(末端価格約360億円)を所持したなどとして、日本人や台湾籍の男女10人と少年1人の計11人が逮捕された事件を振り返り、「これまでは航空機を使う小口(の手口)だったが、大量の薬物が密輸されるという異変を感じた」と話した。さらに「国際的に旅客の入国経路が閉ざされたからこそ、密輸の手口が変わった。神戸税関は近畿・中国・四国の9県と管轄区域が広いため、これら不正薬物対策については洋上で船から船へ船荷を積み替える 『瀬取り(せどり)』 の摘発にも力を入れたいとした。そして従来から大型X線検査などで空港・港湾の取り締まり強化を進める中、東京五輪に伴うテロ対策も重要課題に挙げた。
 

中庭から眺める神戸税関 神戸港のレトロなランドマークとして<神戸市中央区新港町>
中庭から眺める神戸税関 神戸港のレトロなランドマークとして<神戸市中央区新港町>

 財務省本省から辞令を受け、すぐに神戸の街へ。「コンパクトな中に近代建築とレトロな建造物が入り混じった風景が目に入り、港町風情を感じる。若者からお年寄りまで楽しめる美しい街」と評した。

神戸税関初代庁舎1873(明治6)年完成<※画像提供・神戸税関広報公聴室>
神戸税関初代庁舎1873(明治6)年完成<※画像提供・神戸税関広報公聴室>

 来年(2022年)は、運上所から「税関」という名称となり150周年。神戸税関も1873(明治6)年に神戸運上所から改称され神戸港の貿易の繁栄とともに歩んだ。「コロナの収束状況も見通せないが、何らかの形で記念行事ができれば。”アフターコロナ”は再びインバウンド(訪日外国人観光客)が日本を訪れる日が来る。それに伴い、クルーズ船などが再び神戸港に入港する風景が戻れば」と期待を寄せた。

現在の神戸税関庁舎は3代目 1927(昭和2)年竣工の2代目庁舎を保存・活用
現在の神戸税関庁舎は3代目 1927(昭和2)年竣工の2代目庁舎を保存・活用
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