女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサに加入した元日本女子代表(なでしこジャパン)MF後藤三知選手が、ラジオ番組にゲスト出演。4年半経験したスペインサッカーや、今秋に開幕するWEリーグへの思いをたっぷり語った。
出演したのは、近藤岳登、赤﨑夏実、寺田光がパーソナリティーを務めるINAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)の7月12日放送回。
常盤木学園高校(宮城)を経て、2009年から8シーズンにわたってプレーした浦和レッドダイヤモンズレディースでは、キャプテンも経験するなどチームの主軸として活躍。なでしこリーグ制覇を果たした2014年にはリーグ最優秀選手賞も受賞した。2017年からはスペインにわたり、レアル・ソシエダやエイバルなど4チームでプレー。今年6月、INAC神戸への電撃加入が発表された。
「最後まで迷った。今年31歳になるので(後から)もう1回ヨーロッパでサッカーを、というのは簡単じゃないと思うが、それ以上に『WEリーグが始まる』ということで(INAC神戸加入を)決断した」と、日本復帰の理由を明かした後藤選手。
一方で、4シーズンにわたってプレーしたスペインでは、同国の女子サッカーのプロ化が進む過程をリアルに体験。「近年ヨーロッパで社会的に女子サッカーに力を入れているという流れもあるが、スペインでは選手が(待遇改善の)ストライキを起こすことも。その後、先の国際大会のUEFAチャンピオンズリーグで初めてバルセロナの女子チームが優勝し、プロリーグ化を勝ち取った。自分たちの力で変えていきたいという思いを、実際に行動に起こした結果の1つ」と、現地で痛感したプロ選手の影響力について話した。
スペインサッカーについては、「一個人としては『やれるぞ』と思ったが、チームでは本当に戦術的なところをしっかり準備して戦おうとするので、簡単ではなかった」と振り返った後藤選手。元Jリーガーで、サッカー界を知る近藤も「スペインってそうなんだよね! 男子も言葉を話せなかったり聞き取れないと戦術を理解できず、すごく苦しむと言っていた」と共感していた。
さらに後藤選手は「小学生の大会で、ピッチのラインを割ってでも指導者が止まらずシャワーを浴びせるように声をかけたり、(スペインでは)そういうことを小さい頃からやっている」とアカデミー世代から徹底して戦術の落とし込みをしている様子も目の当たりにしたという。