「オレオレ詐欺」から始まる、老女と若者の穏やかな時間 小山薫堂プロデュース作『のさりの島』に心癒された | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「オレオレ詐欺」から始まる、老女と若者の穏やかな時間 小山薫堂プロデュース作『のさりの島』に心癒された

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©北白川派

 地元のFM局みつばちラジオのパーソナリティー・清ら(杉原亜美)は、昔の天草の8ミリ映像を探し出し、まちの唯一の映画館で上映して町おこしを図ろうと企画。若者たちが集まる準備会に誘われて将太も参加することになる。

 そして、古いフィルムや写真や資料を探し出し、年配の人たちに話を聴くうちに、将太の素性に疑問を持つ清ら。ばあちゃんの艶子は、孫かどうかさえも分からないほどの認知症になってしまったのか?

©北白川派

 つかみどころがなく、飄々とマイペースないい味のばあちゃんを演じる原知佐子は、山口百恵の『赤いシリーズ』で演じた強烈ないびり役などが印象的だったが、2020年1月に84歳で亡くなり、これが遺作となってしまった。

©北白川派

 一方の詐欺男を演じる藤原季節は、『佐々木、イン、マイマイン』『くれなずめ』などで注目の、若手実力派俳優。

©北白川派

 この二人の醸し出す、嘘か真か、夢かファンタジーか、極めて境目のあやふやな捉えどころのない関わり方が、このコロナの時代、人とのつながりや信じ合うこと、生きていくことにつらさを感じている人にとっては、優しい救いになるにちがいない。

 監督と脚本はドキュメンタリー出身の山本起也。京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)の映画学科の教授で、「プロのスタッフと学生が協働で一年をかけて一本の映画を仕上げ、劇場公開を目指す」という映画制作プロジェクト“北白川派”を推し進めるメンバー。その第7弾作品がこの『のさりの島』なのだ。


◆『のさりの島』
2021年5月29日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開

出演:
藤原季節 原知佐子
杉原亜実 中田茉奈実 宮本伊織 西野光
小倉綾乃 酒井洋輔 kento fukaya 水上竜士 野呂圭介
外波山文明 吉澤健 柄本明

プロデューサー:小山薫堂 監督・脚本:山本起也
撮影:鈴木一博 照明:守利賢一 録音:吉田憲義 美術:丸山裕司 装飾:嵩村裕司
編集:鈴木歓 スタイリスト:浜井貴子 衣裳:藤林さくら ヘアメイク:近藤美香
VFX:西尾健太郎 タイトル:酒井洋輔 グレーディング:関谷和久
ラインプロデューサー:大日方教史 ロケーションプロデューサー:小山 真一
キャスティング:小林良二 監督補:毛利安孝 制作担当:後藤聡
音楽:谷川賢作 小倉綾乃 藤本一馬
製作/配給:北白川派 製作協力:熊本県天草市 京都芸術大学
宣伝協力:天草ケーブルネットワーク株式会社
協賛:天草信用金庫 ホテルアレグリアガーデンズ天草 後援:JCBA九州コミュニティ放送協議会

(C)北白川派
2020|日本|カラー|DCP|5.1ch|ビスタサイズ|129分 
映倫:122429

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