7月22日は「海の日」。かつて海の記念日だったのを1996年に「海の日」として国民の祝日とし、ことしで26回目を迎える。
海の日を国民の祝日としているのは世界では日本だけで、国土を海に囲まれた海洋国・日本で海の資源から多くの恩恵を受けていることを感じてほしいとの願いが込められている。
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静かな海に思いを寄せ、写真に収める女性がいる。和歌山県日高町在住・山﨑和子さんは、かつて旅行代理店に勤め、添乗員の仕事をしていたが、観光の魅力の発信方法をWEBや広報誌に変えた。近ごろは海の恵みで健康をうながす「タラソテラピー」といって、海水や海の風、波の音など海をまるごと活用することを知ったという。
「子どもの頃は海に行くのがそれほど好きではありませんでした。旅行代理店勤務時代に沖縄に住むようになり、そこで海の楽しさを知り、自分らしさを取り戻す場所になりました。有名なビーチでなくても、人がいなくても、どこに行っても美しい海。何も考えなくていいのです。ただただ時間が流れるだけ。海の浅瀬で「浮き輪」に身体をあずけて空を仰いだり。時間を気にせず、今ここ(海)にいるだけで身体中の力が抜けて、海に溶けて、心が開放されていく感覚を味わえます」
「泳げない季節も海に足を運びます。心地よく寄せてくる波の音や、どこまでも広がっている水平線。気が済むまで海に身を置くことで、心がリラックスし身体はリフレッシュされています。私は知らず知らずのうちに、自分なりの「タラソテラピー」を実行していたんだろうなあと本能的なものを感じました。海からの帰り道はいつも以上に笑顔になれます」
コロナ禍で「密」を作れない夏が2年続いている。山崎さんは「大人数での賑やかな海ではなく、最少人数で無理なく穏やかな、静かな海を感じる心の余裕を」と話す。