本格的な夏、今年もマスク生活が続くなか、気をつけたいのが熱中症だ。
例年5月、6月ごろから熱中症になる人が増え、昨年は7月に約80人、そして8月には約500人もの熱中症による救急搬送があったのは、兵庫県神戸市。
このほど、神戸市消防局が、「あつさ」へのプロである消防士も実践している「暑熱順化」というトレーニングで、熱中症対策を呼び掛けている。
◆熱中症、65歳以上が多いも、10代20代の患者も
熱中症で救急搬送される患者の半数以上は軽傷だが、もう半数は入院が必要となる中等症以上の患者で、その中の一部は、集中治療が必要な重症、いわゆる熱射病と診断されるケースだ。
年齢別では65歳以上の高齢者が多いが、10代や20代の患者も。コロナ禍では、マスクの着用で熱放射ができにくいことや、外出自粛による運動不足によって、暑さへの慣れが追いつかず、熱中症の原因になっていることが指摘されている。
熱中症の症状は、めまいや立ちくらみ、筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り)、手足のしびれ、全身のだるさが挙げられ、重症になると意識障害や身体のけいれんなどがある。いずれにしても早めに気づくことが重要となる。
◆距離がとれるときはマスクを外して熱中症対策を
熱中症にならないための基本的な行動として推奨されるのが、まずは暑さを避けることと、十分な水分補給、涼しい服装を身につけることなど。そして今は、人との距離の取れる安全な場所ではマスクを外す、時々換気をしながらもエアコンを使用し適度な室温を保つことなど、感染症予防と一緒に熱中症対策にも気を付けることが必要だという。