兵庫県明石市魚住町に本社をおく人材派遣業の株式会社メタルテックが、女性社員の多い同社の特性をいかして新たな試みを行っている。
「女性ならではの細かい心遣いをいかそうと考えた」というのは、同社の代表取締役を務める松下真由実さん。取引先にスタッフを派遣するだけでなく、取引先からの相談(「人材が定着しないのはなんでだろう」など)を聞き、解決につなげる「コネクト推進事業部」という部署を立ち上げた。「『人材派遣してよ』と言われるだけではなく、お客様に寄り添って、どういった人材を求めていらっしゃるかをお伺いできるように動いている」。
早速、新規の取引先が増えるなど、新たな部署の効果も。「新たな分野で動かないと衰退していくばかりなので、前に向かってやっていきたい」と、派遣先の拡大に勤しむ。
もともと、別の人材派遣会社で働いていた実績を持つ松下さんは、2006(平成18)年に同社を起業。立ち上げ時に金属加工の派遣会社に特化していたことから「メタルテック」という名前に。今では事務員や販売の派遣なども手掛けるようになったが、定着した名前はそのままにしている。
今後について「BtoBでお客様との取引を拡大していく」と語る松下さん。秋には地元金融機関の神戸信用金庫が地域企業のマッチングや地域経済の発展を目的に開く「こうべしんきんビジネスメッセ2021」にも出展予定。どちらかといえば製造業が多いが「当日は人材派遣会社ならではの簡単な1分間くらいの分析・診断をしたい。診断をすることで『なるほどな』というひらめきを感じてもらいたい」と話す。「そうした診断の積み重ねで自らや相手を分析することが、ひいては組織のコミュニケーション力・チーム力につながる」。これまでの歩みに裏打ちされた確信は揺るぎない。
コロナ禍は続くが経済活動は戻り始めていると感じており、「新しい分野にチャレンジし続ける。堂々と遠慮なく、営業活動を進めたい」と前を向く。新たな分野を模索し続ける松下さんのチャレンジは続く。
※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2021年7月20日放送回より
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