合言葉は“右手に浪漫、左手に算盤” 建設業界イメージ向上に挑戦する工務店 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

合言葉は“右手に浪漫、左手に算盤” 建設業界イメージ向上に挑戦する工務店

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「キツい」「汚い」「危険」という3つの言葉に、「休暇が取れない」や「結婚できない」などが加わり、毎年の新卒採用にも悪戦苦闘する建設業界。

 そんな8Kとも揶揄される業界イメージを向上しようと奮闘しているのが、姫路市の老舗建設会社「北村工務店」。

北村工務店

 同社では地元専門学校生参加の現場見学会や近隣の清掃活動、街路樹の維持管理ボランティアなど地域との交流に従来から積極的に取り組んでいるが、それらに加えて、昨年は経産省の「地域未来牽引企業」や「健康経営優良法人」の認証を立て続けに取得した。創業100周年を迎えたのを機に取得を目指したものだが、地方の中小工務店での認証はまだ少ないだろう。

建設現場での測量作業
日本工科大学校の生徒約60名が参加した現場見学会の様子

 また、ユニークなのが同社オリジナルのメッセージポスター。従業員の家族から募ったもので、その内容は「息子よ、母は応援しているからね」とか「パパ、けがしないでネ」といったようなほほ笑ましいものばかり。工事現場を囲うフェンスにこれを掲示することで現場作業員の安全意識を高めている。周辺住民から工事への理解を得るのにも資することは言うまでもない。

 同社の北村聡一郎社長は「時代とともに工務店も変わらねばならない。これらの取り組みは、従業員が今まで考えもしなかったことを考える契機になるだけでなく、自社のブランド力アップにもつながっていくはず」と力説する。

社内研修会「次の100年を全員で考える会」の様子

 北村社長にコロナ禍での決意を問うと、「まずは“右手に浪漫(ロマン)、左手に算盤(ソロバン)”という考え方を全社員で共有していきたい」とのこと。これは、「浪漫=大切にしたい価値観」と「算盤=数値で示せる成果」をともに充実させることで会社が正しく成長し、地域に安心・安全な真心を届けられるようになるというポリシーだという。この言葉は大河ドラマで渋沢栄一が脚光を浴びるようになるずっと以前からの座右の銘だそうで、さらに“背中に我慢(覚悟)、心に冗談(ユーモア)”と続く。

 北村社長は「これからの当社の成長は入札や金額だけで選ばれるのではなく、いかにして当社の価値観に共鳴してもらえるかにかかっている。『北村に頼みたい』と言ってくださるファンを増やしたい」と意気込む。(播磨時報社)


◆株式会社北村工務店
兵庫県姫路市神子岡前1-1-15
電話 079-292-3001
【公式HP】

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