絵で海外を訪れた気分に 「世界周遊~神戸ゆかりの画家たちが見た外国風景~」神戸ゆかりの美術館で企画展 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

絵で海外を訪れた気分に 「世界周遊~神戸ゆかりの画家たちが見た外国風景~」神戸ゆかりの美術館で企画展

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 神戸市東灘区の六甲アイランドにある「神戸ゆかりの美術館」では、企画展「世界周遊~神戸ゆかりの画家たちが見た外国風景~」を9月12日(日)まで開催している。コロナ禍により世界中で人々の移動の自由が制限されている状況だが、絵の中で海外を訪れた気分を味える企画展となっている。

 同館では海外を取材した神戸ゆかりの画家による作品を数多く所蔵。今回は全室、外国の風景に絞った特集展示となっている。

 戦前パリに渡った金山平三、古家新、田村孝之介が戦中戦後に描いた絵。そのあとは神戸市東灘区に長年住み、近年世を去った中西勝、長尾和の作品。そしてフランスに渡った、小松益喜、関口俊吾、青木一夫。最後にはイメージで描いた外国としてドン・キホーテをテーマとした貝原六一、都市と女性を組み合わせて描いた南和好など……。23人の画家たちの作品82点と、アカデミー・バー壁画を展示。画家たちが世界のどの地域に関心を寄せ、描きたかったのか、画家たちの眼を追体験できる内容だ。

 ヨーロッパではパリを拠点に取材したものが多く、冷戦下であった1950~80年代にかけての西ヨーロッパエリアの風景には、今の世界情勢とは異なる様子がうかがえるものもある。

 坂本益夫「ノルマンディー海岸 オンフルール港」は、港のそばにある中世の家々が描かれている。フランス北西部のブルターニュ地方で、第二次世界大戦で爆撃を免れたため中世の町並みが残っている。古い家がカラフルに表現され、建物の1階にはクレープ屋やお菓子屋が描かれているため、海外でスイーツ巡りがしたくなるような洒落た様子を切り取った作品だ。

坂本益夫 ノルマンディー海岸 オンフルール港 年不詳 油彩・キャンバス 60.7×72.7cm 神戸ゆかりの美術館蔵

 またイタリアの都市ヴェネツィアを描いた作品も多い。水の都を表す運河を描いているのは青木一夫の作品。

青木一夫 ベニス 1971年頃 神戸ゆかりの美術館蔵

 映画「ヴェニスに死す」がコレラの蔓延状況における内容であったように、ヴェネツィアは何度も疫病に見舞われた都市だ。川端謹次が描いたサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂は黒死病(ペスト)が終焉したことへの感謝として聖母マリアに捧げられた教会でもある。コロナ禍の今、あらためて絵を通じて歴史の奥行きを感じてほしい。


◆企画展「世界周遊~神戸ゆかりの画家たちが見た外国風景~」
会場 神戸ゆかりの美術館(兵庫県神戸市東灘区向洋町中2丁目9-1)
会期 9月12日(日)まで
入館料 一般200円、大学生・65歳以上100円
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜
問い合わせ 電話078-858-1520
(政府の新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」発令により開催時間など変更の場合があり)

【神戸ゆかりの美術館 公式HP】


【『サンデー神戸』番組HP】



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サンデー神戸 | ラジオ関西 | 2021/08/15/日 10:00-10:30

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