米モデルナ社が製造した一部の新型コロナウイルスワクチンへの異物混入が全国で複数報告されている問題で、兵庫県などは26日、厚生労働省が「使用見合わせ」とした、ロット番号「3004734」のワクチンが、8月中に県内の大規模接種会場や集団接種会場に配分・使用されたと発表した。このワクチンは兵庫県をはじめ、神戸市、伊丹市、三木市にあわせて約6万5千回分が納入され、うち4万1,500回が使用されたという。いずれも26日時点で、異物が混入していたという報告などはないというが、県や各市は同日付で使用を中止し、別ロットのワクチンを使った接種に切り替えている。
兵庫県が設置する大規模接種会場は西宮市立中央体育館(西宮市)とアクリエひめじ(姫路市)の2か所。西宮会場には1万3千人分が納入され、17日から25日の間に8,119人が接種を受けた。姫路会場には1万500人分が配られ、14日から25日の間に7,730人に接種された。また、神戸市では、大規模接種会場であるノエビアスタジアム神戸において21日から25日の間に1万1,550人が当該ワクチンの接種を受けるなど、集団接種会場を合わせ、配られた2万7千回分中、約1万9千回分が使われたという。
伊丹市では配られた6,700回分のうち、すべてが接種された。一方、三木市には7,400回分が入ったが、すべて使用されなかった。なお、県の担当者によると、大学や企業などを対象とした職域接種でもモデルナ社製ワクチンが使われているが、対象ロットのワクチンが使われたかどうかはわからないという。
県と各市は、使用見合わせの対象となっていない別ロットについても、引き続き接種時の確認を徹底するとしている。対象のワクチンの接種を受けたかどうかは、接種券に貼られたロット番号シールで確認できる。