危険ドラッグの原料となる指定薬物「亜硝酸イソブチル」(いわゆる「RUSH(ラッシュ)」)をベトナムから密輸したとして、兵庫県警・明石署は7日までに、医薬品医療機器法(旧・薬事法)違反容疑で、いずれもベトナム国籍で兵庫県明石市在住の派遣社員の男A(28)と愛知県名古屋市の無職の男B(37)を逮捕、送検して捜査を終えた。
逮捕容疑は、国際スピード郵便物(EMS)に隠した「ラッシュ」を含有する黄色液体・計315.18グラム(ガラス小瓶52本)に入れた同薬物を成田空港経由で輸入した疑い。4月21日、大阪税関・大阪外郵出張所職員によって発見された。郵便物のあて先はAの住所だったことから、7月13日にAを密輸容疑で逮捕した(すでに起訴)。
押収された「RUSH(ラッシュ)」の量は、兵庫県警と合同調査した神戸税関では過去最多だったという。捜査関係者によると、AとBとはSNSを通じたコミュニティーで知り合い、危険ドラッグの密輸を促すやりとりをした記録があったという。8月19日、Bの自宅へ兵庫県警の捜査員が向かい、ラッシュが入った小瓶が見つかったことから所持容疑での逮捕につながった。神戸税関は8月、関税法違反容疑で2人を神戸地検に告発している。
「亜硝酸イソブチル」は2007年の薬事法改正で指定薬物となり、販売が禁止された。2014年には個人の使用・所持も禁止され、2015年の関税法改正で密輸も処罰対象となった。