映画の冒頭は、アルゼンチンタンゴのダンスで始まります。木村が演じる新田が中村アン扮するダンスインストラクターと踊るのですが、忙しい木村はレッスンの時間がなかなか取れず、短い期間で猛特訓したそうです。
本人は「今までやってきたダンスとは全然別物です」と言っていたそうですが、周りが驚くほどの勘の良さで上達したということです。高いピンヒールでバランスを崩しかけた中村を瞬時に支えるなど、レッスンの指導者が思わず拍手を送るほどのクオリティーでした。
相棒として共演する長澤は、「木村さんは自分にすごく厳しい方。その厳しさでこの作品のシリアスな部分を引っ張ってくださるし、その厳しさの中にある芯みたいなものを木村さんがすべて背負ってくださる。そこに皆でついて行けたような気がしています」とリスペクトを語っています。
鈴木雅之監督は木村が25歳のときから仕事をしているそうですが「とにかく(当時からずっと)変わらない人。モノ作りの姿勢が変わらないし、この仕事を一切ナメていない。この仕事の恐ろしさもわかっているんだと思う。そこは特筆すべき、木村くんの素晴らしいところではないでしょうか」と称えています。
木村は撮影中、この作品の主役として空気清浄機や消毒液を撮影現場に率先して差し入れたそうですが、これとは別に、黒をベースに赤い仮面がデザインされた特製のマスクを、スタッフ全員にプレゼントしたそうです。
「皆が同じものを着けて、ちょっとグルーヴ感が上がってくれたら嬉しいなと思って」と差し入れの理由を語ったそうですが、現場を大切にする徹底した心配りが存在感につながっているのでしょう。
原作の東野圭吾は木村を「あてがき」して作品を仕上げているそうで、スクリーンに多くの人の期待がかかります。映画『マスカレード・ナイト』は9月17日(金)、公開。(SJ)