キューバ危機回避に大きな役割を果たした「運び屋」を描く カンバーバッチ主演『クーリエ』レビュー | ラジトピ ラジオ関西トピックス

キューバ危機回避に大きな役割を果たした「運び屋」を描く カンバーバッチ主演『クーリエ』レビュー

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 もちろん、何も告げずだましてクーリエに仕立て上げようとしたのではなく、「国と世界に貢献しないか?」と持ちかけたのだが、運ぶ情報がどんなものかは教えない。後日、ヘレンが「4分前の警報は無意味よ」と言ったことで、それが核に関しての情報だと知り、ウィンは動揺することになるのだ。

 1962年10月14日、米軍の偵察機がキューバに建設中のミサイル基地を発見。16日には、ホワイトハウスのジョン・F・ケネディ大統領に伝えられる。1959年にキューバに革命政権を樹立したカストロはアメリカとの国交断絶の末、ソ連に接近して行き、1962年、ソ連はキューバと軍事協定を締結している。

 アメリカとは目と鼻の先の、そのキューバに核が配備されたというのか?!

 会議を重ね、キューバの基地空爆か、キューバへの即時侵攻か、はたまたキューバ海域の海上封鎖か……。選択肢の中から、「20日にキューバ周辺の海域を封鎖する」決断を下したケネディ大統領は、22日にこれをテレビ演説で発表。

 そして“暗黒の土曜日”と呼ばれる27日の昼、アメリカ軍の飛行機がキューバ上空で撃墜されたり、アラスカで飛行中の米軍偵察機がミスによってソ連領空に侵入したりと、核戦争の危機は極限に達した。

 しかし、ケネディもフルシチョフも、基本的には、「世界を滅ぼしかねない核戦争は避けなければならない」という思いはあったようで、28日、ソ連がミサイルの撤去を発表し、キューバ危機は終わった。

 不確実な情報のもとで、破滅の瀬戸際に立たされていた両国の危機回避の判断に、ウィンが命がけで運んだペンコフスキーの情報も役立ったことは想像に難くない。

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 平和への願いと友情で結ばれた二人の男の運命、それは過酷な道をたどっていった。

 同時に、ウィンの妻・シーラ(ジェシー・バックリー)、ペンコフスキーの妻もまた、東西冷戦下のこの時代、愛する夫や子どもたちを守るために戦っていたのである。


◆『クーリエ:最高機密の運び屋』
9月23日(木・祝)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

配給・宣伝:キノフィルムズ

出演:ベネディクト・カンバーバッチ、メラーブ・ニニッゼ、レイチェル・ブロズナハン、ジェシー・バックリー

監督:ドミニク・クック
2021年|イギリス・アメリカ合作|英語・ロシア語|カラー|スコープサイズ|5.1ch|112分|原題:THE COURIER|G
提供:木下グループ

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【公式HP】

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