今年も厳しい暑さが続いた夏。疲労がたまってなかなか元気がでない……と悩んでいる方もいるだろう。
疲労回復のために不可欠なのは、眠ること=「睡眠」。いかに良い睡眠から疲労回復へつなげるかについて、睡眠・疲労回復の専門家で、株式会社リカバリーアドバイザー代表取締役の福田英宏さんに話を聞いた。
◆“良い睡眠”を得る戦いは、起きた瞬間から始まっている!
「朝起きたら、まずカーテンを開けて太陽を見るようにしてください」と話す福田さん。なぜなら、太陽の光が目から脳の視床下部に当たることで、“セロトニン”というホルモンが分泌されるからだそう。このセロトニンは、夜になると眠気のもとになる“メラトニン”に変化する。つまり、太陽を浴びずにいるとセロトニンが分泌されず、眠気のもとであるメラトニンも得られず、眠くならないというのだ。そうして体内リズムが崩れることで、寝ても疲れが取れないという悪循環に陥ってしまう、これを防ぐために「朝起きたら太陽を浴びる」ことが重要だと福田さんは言う。
◆朝食を忘れずに!
忙しい現代人にとって、朝食をゆっくり食べる時間というのはなかなか難しいもの。しかし、福田さんいわく「少量でも良いのでなるべく食べて欲しい」。特に“トリプトファン”や“ビタミンB6”を含む食品がおすすめとのこと。これらの栄養素はセロトニンに変化し、夜には眠気を起こすためのメラトニンになるのだ。バナナ・ヨーグルト・牛乳・納豆・豆腐などに含まれている。
「単にこれらの食品を食べるだけでなく、“しっかりかむ”ことも大切です。それと、起きてからコップ1杯の水を飲むと、腸が活発になり自律神経が整うので、朝の水分補給も意識して取り入れて欲しいですね」と福田さん。どれも小さなことだが、質の良い睡眠を得るためには大事な行動だと語った。
◆「シャワーだけ」は、もったいない!
良い眠りを得るには、朝だけでなく夜の行動も非常に重要だ。入浴するときについつい「シャワーだけ」で済ませてしまうことはないだろうか? しかし、それではもったいない。湯船に浸かることで、睡眠の質に大きな差が出ると言うのだ。