”心神喪失・無罪主張”へ 神戸・5人殺傷事件被告 裁判員裁判、刑事責任能力の有無が最大争点に 神戸地裁 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

”心神喪失・無罪主張”へ 神戸・5人殺傷事件被告 裁判員裁判、刑事責任能力の有無が最大争点に 神戸地裁

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 神戸市北区で2017年、祖父母や近隣住民ら5人を殺傷したとして殺人・殺人未遂・銃刀法違反など5つの罪で起訴された無職の男(30)が、13日から神戸地裁で始まる裁判員裁判で無罪を主張する方針であることが関係者への取材でわかった。

 弁護側は事件当時、男が精神障害により善悪を全く判断できない「心神喪失状態」だったと主張、争点は男の刑事責任能力の有無となる。

神戸地裁 初公判は10月13日
神戸地裁 初公判は10月13日

 事件は2017年7月16日に発生、男は逮捕直後「誰でもいいから刺してやろうと思っていた」などと供述していた。動機については明らかになっていない。
 神戸地検は当時の精神状態を慎重に調べる必要があるとして2017年9月~2018年5月、8か月あまりの間、2度にわたり鑑定留置を実施し、精神疾患はあったものの刑事責任は問えるとみて起訴した。

 10月13日が初公判。判決は11月4日に言い渡される。

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 鑑定医による聞き取りや検査を行う「鑑定留置」をめぐっては、殺人事件で被害者が多数にわたる場合など、事件の重大性に鑑みて長期化するケースがある。
 兵庫県宝塚市で2020年6月、家族ら4人がボーガン(=洋弓銃)で撃たれ死傷した事件で、殺人・殺人未遂などの容疑で逮捕、送検された無職の男(25)は約半年にわたる鑑定留置が行われ(2020年7月6日~2021年1月14日)、神戸地検が刑事責任能力を問えると判断、起訴した。
 2019年7月、36人が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件の被告の男(43)は事件発生直後、京都市伏見区の京アニ第1スタジオ近くで警察官に取り押さえられた。しかし自らも放火の際に重いやけどをしていたため、約10か月間、入院治療を受けた。取り調べや勾留に耐えられるまでに回復したと判断され、京都府警が殺人などの容疑で逮捕したのは2020年5月27日。京都地検は6月9日から約6か月間の鑑定留置で刑事責任能力が認められると判断、同年12月16日に殺人・現住建造物等放火など5つの罪で起訴した。

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