ダニエル・クレイグ最後の主演 シリーズ第25作は”ボンドガール”が変化? 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』レビュー | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ダニエル・クレイグ最後の主演 シリーズ第25作は”ボンドガール”が変化? 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』レビュー

LINEで送る

この記事の写真を見る(11枚)

 007作品は社会の変化に呼応している。ここのところ、社会変革のスピードは格段に上がった。特にジェンダーや多様性に関してのスタンスが如実に変化してきている社会的背景からか、今作は女性陣もひと味違う。これまで“セクシーでゴージャス”、“男性に守ってもらう存在”として描かれてきたボンドガールたちが、ともに闘う仲間としての「ボンドウーマン」と呼ばれるようになってきたのだ。

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』10月1日(金)全国ロードショー© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

 まず、ボンドの引退後“007”として活動中のエージェント・ノーミ(ラシャーナ・リンチ)。彼女が007と呼ばれていることに驚くボンドに対し、「永久欠番だと思ってた? ただの番号よ」と言い放つ。そういえば、次のボンドは女性だというニュースが流れてきて「まさか」と思ったのだが、こういうことだったのかとちょっと納得した。アフリカ系であることも、イマドキだ。多様性社会への意識を感じさせる。

ノーミ(ラシャーナ・リンチ)『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』10月1日(金)全国ロードショー© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

 次に、キューバでのボンドの相棒・パロマ(アナ・デ・アルマス)。彼女は、エレガントなロングドレスにピンヒールで迫力あるアクションをこなすCIAのエージェントだ。

パロマ(アナ・デ・アルマス)『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』10月1日(金)全国ロードショー© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

 そして、前作に引き続き登場するマドレーヌ(レア・セドゥ)。彼女こそ、ボンドにMI6(「Military Intelligence section6《軍情報部第6》」のこと。「SIS《イギリス情報局秘密情報部》」の通称)を辞職し、現役を退いて、ともに平穏な日々を送ることを決意させた運命の女性なのだ。ただ彼女の素性には謎の部分があり、その彼女の過去が、オープニングの前のプレタイトルシークエンス(タイトルバックが現れるまでに流れる、いわゆるプロローグ)で明かされる。

マドレーヌ(レア・セドゥ)『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』10月1日(金)全国ロードショー© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

 さらに、“最凶”のヴィラン(悪役)・サフィン役には、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)でクイーンのフレディ・マーキュリーを演じてアカデミー賞主演男優賞に輝いたラミ・マレック。能面、石庭、盆栽……。和のテイストと静かなたたずまいが、よりいっそうの恐ろしさを醸し出すのが印象的だ。

サフィン(ラミ・マレック)『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』10月1日(金)全国ロードショー© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

【『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』公式サイト】

LINEで送る

関連記事