あとの約28%は先に針のようなトゲが2本付いて、平べったく焦げ茶色で細長いもの。これは「タウコギ」ですね。見た目の似たひっつき虫に「アメリカセンダングサ」というものがありますが、タウコギのほうが長さは少し短いです。
あとの2%は、他の植物の破片でした。
あれ? なんか!? おかしいゾ!? あれがひっついてない!!︎
ひっつき虫の代表格と言えば、ラグビーボールのような形でトゲトゲがついた「オナモミ」。今回はそのオナモミが1つも付いていなかったのです。近年は外来種の「オオオナモミ」の影響でオナモミが減っているとは聞いていましたが、そのオオオナモミすら付いていません。
私、ひっつき虫ハンターが調べた地域は兵庫県播磨地方の野原、河川敷、畦道、空き地等。半径50kmにわたっていろいろと巡り、40か所にわたって見てみましたが全然見つからず。41か所目で、ようやく一株見つかったほどでした。
小さい頃はそこらへんに嫌って言うほど生えていた、あの“キング・オブ・ひっつき虫”がですよ!? よく友だちとひっつけ合って遊んだし、セーターとかに付いたときは「うっとうしいなぁ」って思っていたあのオナモミやオオオナモミたち……。見なくなったら、見なくなったで、寂しい限りです。
調べてみると、環境省が発表する、絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト『環境省レッドリスト2020』内で、オナモミは「絶滅危惧II類(VU) 」に指定されており、“絶滅の危険が増大している種”なのだとか。どうなったんだ、オナモミ、何があったんだオオオナモミ!?