駅弁や姫路のご当地グルメ「えきそば」などを展開する「まねき食品」(兵庫県姫路市)。コロナ禍の長期化で同社も打撃を被るなか、冷凍弁当の展開で事態の打開に取り組んでいる。「従業員の頑張りでプレミアム感のある冷凍弁当が完成した」というのは、竹田典高社長。「まずはインターネットでの販売を全体の1割に引き上げたい」と意気込む。
──冷凍プレミアム弁当の開発のきっかけは?
【竹田典高社長(以下、竹田社長)】 駅構内の店舗を開けられなかった昨春の緊急事態宣言時に宅配サービスを始めたところ、数多く新メニューが生まれた。瞬間冷凍機を保有していたので、今度はそれらをおいしく長持ちさせるのに冷凍してみることにした。レシピが増えた分、様々な食材の冷凍を試すことができ、プレミアムな冷凍弁当の開発につながった。
──何がプレミアムなのか。
【竹田社長】 ご当地感という付加価値だ。代表的なメニューは「全国旅気分セット」。北海道をイメージした鮭とホタテ弁当、北陸をイメージしたカニ弁当、兵庫の神戸牛、瀬戸内の牡蠣(カキ)といった内容の6種類がセットになっている。これだけのバリエーションは同業者も真似できないだろう。米をおいしく解凍できる炊き方にもこだわった。
次に「ビフテキのカワムラ」さん(神戸市)と共同開発した「神戸牛ビーフステーキ弁当」。カワムラさんは他社とコラボする考えをお持ちでなかったが、当社の冷凍弁当の質の高さをご理解いただくことで実現した。絶妙な加減で火入れした肉のおいしさは当然だが、カワムラさんならではのガーリックライスをぜひ味わってほしい。百貨店のギフト需要も狙っていきたい。
──おせちにも冷凍を取り入れている。
【竹田社長】 当社は半世紀以上おせちを扱ってきたので、1段から4段重ね、伝統的な料理から和洋折衷、洋風などレパートリーが豊富に揃う。大晦日に店頭や特設会場でのお渡しや配達が基本だが、狭い商圏では頭打ちなので、昨年、実験的に全国へ冷凍販売してみたところ、200セットが売れて驚いた。
この年末年始はワクチン接種が進んでやっと帰省できるようになるはずなので、唐揚げやビーフシチュー、ワインに合うおつまみなどを詰めるなど、3世代が楽しめるセットメニューを増やした。EC(インターネット販売)の専用サイトを新たに立ち上げたので精力的にPRしていく。
◆まねき食品株式会社
兵庫県姫路市北条953
電話 079-224-0255
【公式HP】
【公式オンラインショップ】