現役大学院生監督が神戸から送り出す映画 障がいある弟と向き合ったドキュメンタリー『僕とオトウト』レビュー | ラジトピ ラジオ関西トピックス

現役大学院生監督が神戸から送り出す映画 障がいある弟と向き合ったドキュメンタリー『僕とオトウト』レビュー

LINEで送る

この記事の写真を見る(1枚)

「単なるホームムービーではない“家族映画”を撮るためにはどうすればいいのかを考えろ」という池谷監督の助言を受け、かわいい存在というだけに留まらない、家族だからこそ気付けていない弟の真の姿を探求するため、カメラを持ってがむしゃらに弟と向き合う高木監督。

 しかし、「障害」のある弟との間にそもそも十分なコミュニケーションが成立するのか? 何を考えているのか分からないから寂しい、なぜそんなことをするのか理解できない。やり場のない悲しみと怒り。いろいろな感情を抱えながら弟と向き合ううち、弟との対峙は、自分自身とどう向き合えばいいのかを考えることにつながると気づいていく兄。これは、一人の若者の成長の記録でもあるのだ。

 コロナ禍で、人とのつながり方、思いの伝え方に悩む人が多くなってきたと言われる昨今。「障害」という枠を超え、コミュニケーションそのものの在り方を問う普遍的な作品として心を打つ。「学生が作った映画を学生の手で届けよう」を合言葉に、配給・宣伝も、池谷監督の指導のもと上映委員会を作って学生たちが取り組んでいるのだとか。

 苦境にあえぐ関西のミニシアター界に新風を巻き起こしたいという熱い思いのいっぱい詰まった作品。これを皮切りに、今後どんな監督がどんな作品を世に送り出してくれるのか。神戸の街からの挑戦に、ぜひ注目してほしい。(増井孝子)

※ラジオ関西『ばんばひろふみ!ラジオdeショー!』、「おたかのシネマdeトーク」より

※1 高木佑透氏の「高」は「はしごだか」

※当記事本文では高木監督本人のコメント内容を尊重し、「障害」の表記を採用しています。


『僕とオトウト』上映予定
兵庫県:元町映画館 10/30(土)~11/5(金) 12:30~
大阪府:シネ・ヌーヴォ 11/6(土)~11/12(金) 13:45~
京都府:京都みなみ会館 ※10月にいったん終了。今後、続映。
【公式サイト】

LINEで送る

関連記事