先日、会話をしているとき、何かのきっかけで「まるで『ずんべらぼん』やな!」と叫びました。自ら叫んでいながら、「ん? 『ずんべらぼん』って、何や?」と疑問がわきました。そこで何人かに聞いてみたところ、「ずんべらぼん」、「ずんべらぼ」、「ずんべらぼー」など、言い方が少しずつ異なっていました。では意味は? と尋ねると「言葉で表現するのは難しい」、「何かこう、『ずんべらぼーやな』という時に使う」と訳のわからない答え。私自身も「ぬぼーっとしたもの」という意味と思い、何となく使っていたため早速調べてみました。
まず『広辞苑 第七版』(岩波書店)では 「【ずんべら坊】『ずべらぼう』に同じ」 とありましたので、「ずべらぼう」を調べました。
「ずべらなこと。しまりのないこと。また、その人。②のっぺらぼう」。
では「ずべら」はというと、「しまりのないこと。投げやり。ずぼら」。
『新明解国語辞典 第八版』(三省堂)には……
「〔ずべらぼうの変化〕 「のっぺらぼう」の俗語的表現。〔広義ではしまりの無い人〕」
と載っていました。これまで意味がまったく違う状況で使っていたことに衝撃を受けるととともに、「のっぺらぼう」と関連があったことに驚きました。
一方、「ずんべらぼう」という音の響きが人の動きなどから生まれた印象もあったため、擬音語や擬態語などを意味する“オノマトペ”の専門辞典、『日本語オノマトペ辞典』(小学館)で「ずんべらぼー」を調べました。
「凹凸や出っ張りの部分がなく、締まりのないさま。また、そのような人」