兵庫県・大阪府・奈良県で店舗展開する「関西スーパーマーケット(本部・兵庫県伊丹市)」の買収を表明している首都圏地盤のスーパー、オーケー(本社・横浜市)は9日、 10月29日に行われた関西スーパーの臨時株主総会で、阪急阪神百貨店を運営する流通大手・エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループ(本社・大阪市)との統合案をめぐって僅差で可決されたことに疑義が生じたとして、神戸地裁に差し止めの仮処分を申請した。司法判断によっては、関西スーパーの再編は白紙に戻る可能性も出てきた。
関西スーパーは9日午前、オーケーの主張に対し「総会は検査役の立ち会いの下で適法かつ公正に行われ、集計に問題はなかった」との反論を公表、意見は対立している。H2Oは「コメントできない」としている。
関西スーパーの臨時総会では、決議したH2O子会社との株式交換議案について、投票用紙に何も書かずに(白票で)提出した1人の株主から、本来は賛成する意図があったと申し出があった。
これについてオーケー側は、「いったん集計が終わった後で、白票を投じていた株主の申し出によって、会場での投票内容を棄権から賛成に切り替えた」と主張。 この株主は会場での投票ルールを十分に理解せずに白票を投じたという。
この結果、最初の集計では「否決」とされたが、最終的には僅差で可決された。可決には出席株主が持つ議決権の3分の2以上の賛成が必要で、わずかに上回った。オーケーは「本来否決になるべき結果が恣意的にゆがめられた」とコメントしている。