日本で初めて演劇やダンスの実技が本格的に学べる公立大学として今年4月に開学した芸術文化観光専門職大学では、芸術文化と観光の視点をクロスオーバーさせた学習の一環として、11月14日(日)まで『忠臣蔵・キャンパス編』を上演している。
その舞台に「大石」役として出演する学生が、同大学学長を務める平田オリザさん(演出家・劇作家)の冠ラジオ番組で稽古の様子などを語った。
同大学の学生、池田帆乃華さんは宮崎県出身。声を出す、人前で話をすることが好きで中学2年生のときに同級生の影響を受け、地元の演劇ワークショップ『みまた座』に所属していた。
『みまた座』は、演劇が盛んなまち・宮崎県三股町で開かれている、地域の小中高生を対象としたもの。劇作家・演出家の永山智行さんが演劇監督を務め、同氏が率いる『劇団こふく劇場』(宮崎県三股町)の劇団員が指導を担っている。
『みまた座』での経験について、池田さんは「楽しい経験でした。こうした取り組みを全国に広めていきたいです」と夢を語った。
その池田さんが出演する舞台『忠臣蔵・キャンパス編』は、芸術文化観光専門職大学の「舞台芸術基礎実習」という科目で、いわば学内インターンの位置づけ。舞台技術や衣装等についてもプロが入り実践的な指導を受けている。
稽古の日々を振り返って池田さんは「やる気はあるけど体がついていかない(笑)」と本音を吐露しつつ、「先生方も『忠臣蔵の練習で疲れているでしょ? 今日のところは早く終わろう』と気遣ってくださっています」と話す。
また、「稽古では(青年団所属俳優)高橋ルネさんがアドバイスをくださるので勉強になります。私個人は平田オリザ演出を楽しんでいるのですが、ルネさんは『オリザさん、いつもはこんな感じじゃないよ。もっとツンケンしてる』っておっしゃって(笑)。学生向けに手加減してくださっているのかな」と、先輩からの貴重な話も明かしつつ、今回の舞台を楽しんでいるよう。
平田さんは今回の舞台実習について、「来年度以降は、いろんな演出家にきてもらう予定です。全学年通してオーディションで配役を決めますので、1人の演出家だと偏りがでてしまうもの。演出家との出会いは俳優にとって大きいものとなるので楽しみですね」と今後のプランも語っていた。
【江原河畔劇場 公式HPより】
※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。
『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp