『聖地X』見たけど、すごいよ! 入江悠監督がイキウメ前川知大の原作を映画化

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 一方で本作は、すでに原作を知っている観客にも十分に楽しむことのできる作品です。鍵となるのは演劇にはない「画面」という存在です。どういうことなのか、映画の冒頭を少しだけ書き起こしながら説明しましょう。

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 道路を走るクルマのカット。左ではなく右車線なので、どうやら日本ではないらしい。なるほど、ここは韓国なのか。すっかり憔悴しきった女性がタクシーに乗っている。画面ギリギリのところに薬指の婚約指輪が鈍く光る。

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「画面」の中に何を、どのように、どの遠近感で配置するか。すべて作家によりコントロールされている言わんばかりの一貫した絵作りが施されています。衣装から小道具まで計算され尽くされているように感じます。演劇とは対称的な手法とも言えるでしょうか。

 SFの物語を追うだけであれば1回の鑑賞で事足りるかもしれませんが、先述のような映画的な手触りを楽しめるのであれば何度見ても新たな発見があること間違いありませんよ。リピート確定。本当にこれは見逃せない1本です。

『聖地X』は11月19日(金)から公開。関西ではイオンシネマ シアタス心斎橋、アップリンク京都、イオンシネマ京都桂川で見られるほか、兵庫では塚口サンサン劇場で初日から上映されます。

文・川合裕之(フラスコ飯店)


川合裕之(かわい・ひろゆき)

1995年生。webマガジン「フラスコ飯店」編集長。『週刊ラジトピ』に出演中。よく道に迷う。

■映画『聖地X』

<<あらすじ>>
小説家志望の輝夫(岡田将生)は、父親が遺した別荘のある韓国に渡り、悠々自適の引きこもりライフを満喫中。そこへ結婚生活に愛想をつかした妹の要(川口春奈)が転がり込んでくるーー。

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週刊ラジトピ | ラジオ関西 | 2021/11/14/日 17:00-17:15

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