電鐵本社がある「伊太祈曽(いだきそ)」は唯一の有人駅です。また駅に併設する車庫・検査場は登録有形文化財に指定されています。近くにある伊太祁曽神社は、樹木の神様として知られており、もともとこの路線は日前宮・伊太祁曽神社・竈山神社の三社参りのために敷設された鉄道なんです。
このあと和歌山市から紀の川市に入り、春は桜、秋は紅葉が美しい「大池遊園」に向かいます。ここは周囲4キロの池を中心にした美しい閑静な公園。園内にある大池カフェ「ST.ZEPHYR(セントゼファー)」はピザが評判のカフェレストランで、眺望抜群のテラス席もおすすめです。
終点「貴志」は駅舎がネコの顔をイメージしたもので、桧皮葺(ひわだぶき)を使用したというユニークなインスタ映えする設計になっています。この駅は現在、たま2世・通称「ニタマ」がウルトラ駅長兼執行役員を務め、2015年に亡くなった初代たま駅長はホームに建立された「たま神社」から名誉永久駅長としていつも見守っています。
車窓にさして変化があるわけでもない、終点・貴志に多くの見所があるわけでもない。なのに、みんなこの電車に乗るために、そして、ネコ駅長に会うために、各地からやってくるんです。「日本一心豊かなローカル線になりたい」のスローガンは、全国の赤字に悩むローカル線に何かのヒントを与えてくれているようです。
そして9月に引退した「おもちゃ電車」に変わって、12月4日からは新たに「たまミュージアム号」がお目見えの予定ですが、はたしてどんな車両なのか、デビューが楽しみなところです。(羽川英樹)
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