兵庫県尼崎市で2019年11月、特定抗争指定暴力団・神戸山口組の幹部が自動小銃で射殺された事件で、殺人・銃刀法違反などの罪に問われた、対立する特定抗争指定暴力団・六代目山口組の元組員(54)の控訴審が29日開かれ、大阪高裁は無期懲役とした一審神戸地裁の判決を支持、被告側の控訴を棄却した。 被告本人は出廷しなかった。
元組員は2019年11月27日午後5時すぎ、尼崎市神田南通の路上で、神戸山口組幹部(当時59)に自動小銃で弾丸15発を撃ち、死亡させたなどとされる。弁護側は9月27日の控訴審初公判で、「犯行は個人的なものにもかかわらず、1審判決は暴力団関係者であることを前提としていて、量刑が不当」と主張し、有期刑を求めていた。
判決で大阪高裁は「強固な殺意に基づく極めて危険な態様だ」と非難した。組織的な背景を否定し、有期の懲役刑が相当とした被告側の主張を「自動小銃を使った犯行態様は周囲を巻き込む危険性が極めて高く、非常識極まりない。暴力団組織に所属していたとしても、量刑は無期懲役以上しか考えられない」と断じた。