兵庫、大阪、奈良で店舗展開している関西スーパーマーケットと、阪急阪神百貨店などを運営するエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループの経営統合を差し止めた神戸地裁の仮処分について、大阪高裁は7日、関西スーパーの異議を認め、仮処分を取り消す決定をした。これにより、両社は12月15日の統合が可能となった。
関西スーパーは7日の決定を受け、「臨時株主総会での決議が適法かつ公正に行われたことが理解してもらえた結果で、正当な判断が示されたと考えている。今回の決定を受けて経営統合の手続きを予定どおり実施する」とコメントした。
経営統合をめぐっては、司法の場に委ねられることになった。まず11月9日、関西スーパーを買収する意向を示す首都圏地盤のスーパー・オーケー(横浜市)が、統合案を可決した関西スーパーの臨時株主総会の集計作業に疑義があるとして、神戸地裁に手続きの差し止めを求める仮処分を申請した。
神戸地裁は11月22日、統合案を可決した臨時株主総会の決議方法に「法令違反、または著しい不公正があった」として、オーケー側の仮処分を認める決定を出した。一方、関西スーパーは決定取り消しを求める異議を申し立てたが神戸地裁が棄却したため、11月30日、大阪高裁に保全抗告していた。