姫路レザー、今が踏ん張りどき 「皮革業界の再興へ、新しい技術の確立急ぐ」 次の商機を見据え準備着々のタンナー | ラジトピ ラジオ関西トピックス

姫路レザー、今が踏ん張りどき 「皮革業界の再興へ、新しい技術の確立急ぐ」 次の商機を見据え準備着々のタンナー

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 兵庫県姫路市の地場産業の1つである皮革産業。同市で生産された「姫路レザー」は高品質レザーの代名詞として高く評価されるが、近年は原皮価格の高騰や海外からの大量輸入によって業界そのものは厳しい状況にある。

 独自の展開で現状を打開しようとするタンナー(皮革製造業者)の1つ、株式会社三昌の福本真也社長にビジョンを聞いた。

――業界の現状は?

【福本真也社長(以下、福本社長)】 姫路では特に高木地区と御着・四郷地区にタンナーが集積し、ピーク時には高木地区で100社、御着・四郷地区には30社ほどあったが、バブルが弾けたのと同時期に衰退し、今は全体で4割減。生産量も全体で10分の1にまで減っている。当然、ほとんどのタンナーが売上を大きく落とし、当社も半減している。

――衰退の原因は?

【福本社長】 靴や鞄などへの加工コストを抑えるため、国内メーカーが中国など人件費の安い国へこぞって出ていったことが大きい。皮革生産は人手がかからないので、私たちは国内に残ってレザーを供給していたが、中国の生産技術が上がってくると、わざわざ日本から調達する理由がなくなった。結局、大量生産・大量消費の流れで低価格競争がエスカレートし、海外製品がどんどん国内に流入してきている。

――自社の現状は?

【福本社長】 当社の取引先は国内に残ったメーカーがほとんど。値段だけで競争しても海外勢には勝てないので、取引先は「必要な品を必要な数だけ作る」との考えにシフトし、私たちに多品種のレザーを少量で求めるようになった。生き物が相手のレザーはキズや大きさなど個体差があるので、私たちは受注数より多めに用意するのが定石なのだが、ロットが小さくなったことでその分のコストを吸収しにくくなった。

――打開策は?


◆株式会社三昌
兵庫県姫路市四郷町山脇150-1
電話 079-252-0983
【公式HP】

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