1年の世相を漢字1文字で表す「今年の漢字」、 2021年は「金」と発表された。 13日午後、世界文化遺産・清水寺(京都市東山区)の本堂前にせり出す「清水の舞台」で森清範貫主(81)が黒谷和紙製の巨大な色紙に揮毫(きごう)した。
公益財団法人・日本漢字能力検定協会(京都市東山区)が日本全国からはがきやインターネットで募った漢字の中から、最も多いものを選ぶ師走の風物詩。 今年で27回目となる。 応募総数は223,773 票だった。最多の「金」 は10,422 票(全体の4.66%)、 2位は「輪」10,304 票(同4.60%)の順。
これまで最も多く選ばれている「金」は今回で4回目。シドニー五輪のあった2000年、ロンドン五輪の2012年、そしてリオデジャネイロ五輪の2016年、日本勢の金メダルラッシュに沸いた東京五輪の今年(2021年)と続いた。
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■「金」 10,422 票(全体の4.66%)が選ばれた理由として、日本漢字能力検定協会は次のように分析。主に3つの要因を挙げた。
《1》新型コロナウイルス感染症の感染再拡大が危ぶまれ、直前まで実施可否が議論となるなか開催された東京 オリンピック・パラリンピック。1 年の延期と無観客開催という異例の状況下でも、日本人選手がオリンピックで 史上最多の27個、パラリンピックで13個の「金」メダルを獲得した。とりわけ柔道では阿部一二三・詩兄妹、新種目のスケートボードでも男女ともに「金」メダルを獲得するなど、史上初の偉業にも注目され、コロナ禍で明るい話題をもたらした。
《2》各界で数多くの「金」字塔として、まず大リーグ・エンゼルス大谷翔平選手が満票でMVP を受賞するなど、”リアル二刀流”でシーズンを通して活躍、さらに男子ゴルフ・松山英樹選手の日本人初のマスターズ制覇、藤井聡太棋士の最年少四冠達成など、国内外でこれまで成し得なかった多くの「金」字塔が打ち立てられた。