「行ったことあるか」
「ない」
「一度行ってみて来いよ、お前の親父もあそこで生まれて育ったんだ」
巌によると、ラーメン店は軍艦島がきれいに見えるところを海星の母親が探して見つけたのだそうです。
海星も父親も、母を亡くした悲しみに暮れる日が続きます。互いに反目し、いがみ合う親子。
「おい、ここからも逃げんのかよ!」
「これは小百合と俺の問題なんだよ!」
「じゃあ俺は何なんだよ!」
「母ちゃんが死んで、お前までいなくなったら俺はどうすりゃいいんだよ!」
こうしたなか、同じ美術部の少女・結が海星の絵を見て声をかけますが、
