兵庫県の斎藤元彦知事が15日、ラジオ関西の生番組にオンラインで出演した。県内各地でリモートワークを実践する「ワ―ケーション知事室」がスタートし、この日は北播磨の多可町からの出演。番組の中で斎藤知事は、「宿泊し、滞在し、交流することで、いろいろなものが見えてくる。北播磨の朝は寒いですが、昨夜は星空が素晴らしかった」と語った。
ワーケーションは「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を掛け合わせた造語。「ワーケーション知事室」は、初当選した今年7月の知事選で斎藤知事が掲げた公約の一つで、今後、県内各地を巡り、現地での交流を重ねながら政策課題を見つけ出していく。第1回となる北播磨での知事室は14日に始まり、山田錦や播州織の生産者と交流し、現状や課題について意見を交換した。
ラジオ出演(『三上公也の朝は恋人』内、月1回放送の「こちら知事室!」)は、拠点としている同町のホテル「エーデルささゆり」から行われ、パソコンの画面にうつるラジオパーソナリティーの三上公也と、いつも通りのトークを展開。「古民家では、県外からの移住者と、移住者を受け入れている人たちの話を聞くことができた。草刈りなど、地域の日常の作業を一緒にやっていく雰囲気をどうやって作っていくか。コミュニケーションが大事だということをお聞きした」と語った。
地元の小学校を訪ね、小学生とも交流。道の駅では地元の杉原紙の紙漉き(かみすき)も体験したと言い、「地元の小学校では、自分たちがすいた紙で卒業証書を作っていると聞いた。地域の大切な伝統を子どもたちが一緒になって引き継いでいこうという素晴らしい取り組みだ」と述べた。
コロナ禍で一気に注目が高まったリモートワーク。この日は、引き続き、三木市などで金物産業の関係者らとも意見を交わす。斎藤知事は、「こうした新しい働き方、生き方をどうとらえていくか。移住促進の観点からも取り組みを進めていきたい」と述べた。