知れば知るほど奥深い「ベルモット」の世界 バーテンダーが魅力や特徴を解説 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

知れば知るほど奥深い「ベルモット」の世界 バーテンダーが魅力や特徴を解説

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 カクテルになくてはならない「ベルモット」。その名前を聞いたことはあっても、具体的にどのようなお酒かイメージしにくいもの。今回は、神戸・花隈にある「Bar SAVOY hommage(サヴォイ・オマージュ)」の店主でバーテンダーの森崎和哉さんに、奥深いベルモットの世界について、話を聞いた。

 ベルモットは「フレーバードワイン」に分類されるアルコールで、主に白ワインをベースに、スパイスやハーブを配合したもののことを指すという。スタンダードカクテルに使用されることが多く、森崎さんいわく「バーに行けば必ず置いてある」というポピュラーなものだ。

 国や企業によって配合されるスパイス・ハーブが異なり、ベースの白ワインに使う白ブドウの品種なども様々。ひとくちにベルモットと言っても、多種多様な表情を持っていることが魅力と言えるだろう。

 ベルモットは「ドライ・ベルモット」と「スイート・ベルモット」と大きく2つに分けられるが、今回はドライ・ベルモットを4種類ご紹介。

左から、「セイクレッド」、「ノイリー・プラット」、「ガンチア」、「チンザノ」

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

◆南フランス生まれのベルモット「ノイリー・プラット」
 最初に紹介するのは、フランス産ベルモット。カモミールやクローブが配合されており、フルーティーさと、さりげない甘さが特徴だ。夏場は砕いた氷を入れたグラスに「ノイリー・プラット」をたっぷり入れ、レモンを少し絞る飲み方がオススメだそう。また、ベルモット同士を掛け合わせてシェリーを加えれば、日本生まれのカクテル「バンブー」にもなるのだとか。軽やかな口当たりで飲みやすく、カクテル初心者でも挑戦しやすいのではないだろうか。

◆青々とした味わいが特徴「チンザノ」
 次に紹介するのは、イタリア産ベルモット「チンザノ」。森崎さんが今回持参したものは比較的新しく造られたタイプで「クラシックな昔のチンザノを再現する」というコンセプトから誕生したのだそう。シナモンが配合されており甘みが強く、青々しい味わいが特徴のベルモットだ。

◆重厚さを求めるなら「ガンチア」
 同じくイタリア産のベルモット「ガンチア」は、上記で紹介した2種に比べると“重さ”が際立つ。複雑で含みの強い味わいを持つため、ウイスキーやブランデー、ラムといった重厚なアルコールとの相性が抜群。もちろん、ストレートやロックでも楽しむことができる。

◆有名映画の“聖地”になったバーが考案「セイクレッド」
 最後に紹介するのは、イギリス産ベルモットの「セイクレッド」。これは「いかにマティーニをおいしくするか」という目的で作られたマティーニに特化したベルモットだそう。ロンドンにある“デュークスホテル”のチーフバーテンダーが考案したもので、同店には映画『007』初代ジェームズ・ボンド役のショーン・コネリーがマティーニを飲みによく訪れていたのだとか。そのことからデュークスホテルは「ボンドの聖地」とも呼ばれているそう。そんな逸話を持つ「セイクレッド」は、他のベルモットと違いヨモギが使われている。そもそもベルモットの語源は“ヨモギ”を意味するドイツ語から来ているそうだが、現在のベルモットにヨモギはほとんど使われていないのだとか。しかし「セイクレッド」はヨモギが配合されているため、ハーブ由来のビターで渋い味わいを感じることができる。


※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2021年10月12日放送、笑ってBar「サヴォイ・ゴロー」より

◆Bar SAVOY hommage サヴォイ・オマージュ
神戸市中央区下山手通5-8-14
営業時間 16:00~23:30(LO 23:00)
定休日 日曜
電話 078-341-1208
【公式Instagram】

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