コリコリの食感が特徴のデザート「ナタデココ」。約30年前に一大ブームとなった食品です。現在、「平成レトロ」という言葉でも表現されるように、ギャル文化やファッションなど、平成時代に流行したものごとが再注目されています。同じように、ナタデココも再び人気を集めることはあるのでしょうか? 当時のナタデココブームの立役者といわれる食品メーカー「フジッコ」ヨーグルト・デザート事業部・中嶋太一さんに話を聞きました。
――「ナタデココ」ってどういう意味なんですか?
フィリピンの伝統的なスイーツである「ナタデココ」はスペイン語でして、正確には「ナタ・デ・ココ」と表記します。「ナタ」は液体の上澄み、「デ」は英語でいう“of”で、「ココ」はココナッツの意味。直訳すると「ココナッツウォーターの上澄み」ということですね。
――約30年前のナタデココブームの立役者がフジッコさんって本当ですか?
本当です。当時大手外食チェーンでナタデココのデザートが話題となっていたところに、フジッコが先駆けてナタデココの自社生産に踏み切り、ブームに火を付けました。
実はナタデココは発酵食品なのですが、納豆や漬物などを作っていたフジッコは、その発酵技術をいかして、国産のおいしいナタデココの製造販売に踏み切りました。おいしい固さの基準を定めて製造し、安定した品質のナタデココを展開したことがブームのきっかけとなりました。
――いきなりブームになったんですか?
1994年に作った、小さな女の子がコミカルに踊るテレビCMがキャッチーで話題になったことも影響しているのではないかと思います。