12月7日は飛行機の日。1903年のこの日、アメリカのライト兄弟が世界で初めて、動力で飛行機のプロペラを回し、人が乗っての飛行に成功しました。
ライト兄弟は、牧師の息子として生まれます。兄のウィルバー・ライトと弟のオーヴィル・ライトは、自転車屋を営みながら様々な実験を重ねました。いろいろ人からアイディアをもらい、何度も挑戦して、とうとう1903年12月17日、ノースカロライナ州キティホークの小さな丘で、12馬力のエンジンを乗せたライトフライヤー号の有人動力飛行に成功しました。
ライト兄弟は風の強い日に飛行しましたが、これが正しかったようです。普通なら、強風は危ないとか、追い風の方がいいと考えられがちですが、本当に飛行機が飛ぶのは向かい風で揚力が働く時。飛行時間は、4回実験をして3回目までは10秒台でしたが、4回目に約1分間、200メートル以上の距離を飛びました。これは画期的なことで、知人が写真撮影をしましたが今ではきちんと残っていないようです。
人類は、昔から空を飛ぶことに憧れを抱いていました。ルネサンスの美術家として有名な才人、レオナルド・ダヴィンチは、人体の構造を分析したり、落とした水を水車で汲み上げる永久動力などさまざまな研究を行ったりしていて、その中の1つに飛行機の研究もありました。鳥が飛べるのはどうしてだろう? と。
動力飛行以前には、高い丘から滑空するグライダー、練炭で温かい空気を送る熱気球、空気よりも軽い水素やヘリウムを入れた大きな飛行船ドイツの「ツェッペリン号」など、人類が飛ぶためにさまざまな工夫がなされました。
アンデスの山岳地帯には、地面に巨大な絵“地上絵”が描かれたナスカの遺跡があります。人類が空を飛べるようになって、空中から絵の全貌が分かるようになりました。大昔にも人類は、気球か何かで空を飛んでいたのかも知れません。