《阪神・淡路大震災27年》「スロースリップ(ゆっくりすべり)」進む研究、地震メカニズム解明に向け | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《阪神・淡路大震災27年》「スロースリップ(ゆっくりすべり)」進む研究、地震メカニズム解明に向け

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電子基準点(兵庫県姫路市安富町)<2022年1月10日撮影 ※画像提供・西影裕一さん
電子基準点(兵庫県姫路市安富町)<2022年1月10日撮影 ※画像提供・西影裕一さん>

 また、京都大学防災研究所は兵庫県姫路市安富町を走る中国自動車道の地下を掘削し、山崎断層安富観測坑を設置した。写真2はここに設置した伸縮計の一部。伸縮計を用いて地殻変動の連続観測を行っている。以前に行われた7年間の観測期間中、地殻に「伸→縮→伸」の変化が見られたことがあった。

京都大防災研究所が設置・伸縮計の一部 <2000年4月24日撮影 ※画像提供・西影裕一さん>
京都大防災研究所が設置・伸縮計の一部 <2000年4月24日撮影 ※画像提供・西影裕一さん>

 防災科学技術研究所・国立大学法人・気象庁を中心として陸と海底に合わせて約1500箇所に高感度地震を設置し、高感度地震観測網を作り微小地震を観測している。写真3は兵庫県姫路市夢前町山之内に設置された高感度地震観測施設。高感度地震計はわずかな揺れでも検出するため、地表近くでは「地表の揺れ」を検出してしまう。このため地下約100mの観測井を掘削し、その底に高感度地震計を設置して観測している。ここで捉えた地震観測データは関係機関に電送されている。

高感度地震観測施設(兵庫県姫路市夢前町山之内)<2022年1月10日撮影 ※画像提供・西影裕一さん>
高感度地震観測施設(兵庫県姫路市夢前町山之内)<2022年1月10日撮影 ※画像提供・西影裕一さん>

 ほかにも地球電磁気の観測など様々な観測によって、地震発生のメカニズムの解明が進められ、また地震発生の可能性等に関する調査が行われている。これらの研究をもとにして地震による被害を軽減することを願う。

西影裕一さん 「はりま地盤・地震研究会」代表(日本地震学会会員)
西影裕一さん 「はりま地盤・地震研究会」代表(日本地震学会会員)

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