年のはじめが1月1日のわけ 正月とクリスマスとの共通点は… | ラジトピ ラジオ関西トピックス

年のはじめが1月1日のわけ 正月とクリスマスとの共通点は…

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 年「ねん」は中国の音読みで、日本語の訓読みは「とし」。この「とし」とは何でしょう?

 365日の長さを、中国の文字では「年」「齢」「才」「歳」で表しています。「年」は穀物の穂を象形化した文字で、「齢」は365日ほどで摩滅する動物の歯の割合、「才」は365日ほどで人が身につける知恵、「歳」は365日ほどで一巡してくる星座を意味しています。つまり、中国では農耕関係、牧畜関係、人間中心主義、自然派などで、それぞれ約365日を表す文字を作ったわけです。

 1300年ほど前の日本では、米を「トシの実」と言っていますから、1年に1度米を収穫する日本の文化では、365日ほどの時の長さを1回収穫する米を表す言葉で呼んだわけです。

稲穂

 ちなみに、米を実らせる魂を「さ」と言います。米の苗は「早苗(さなえ)」、神社で儀式的に田植えをする乙女は「早乙女(さおとめ)」、早苗を乱す雨は「五月雨(さみだれ)」、「さ」と付き合う月は「五月(さつき)」です。

 こういうことを考えると「年」も奥が深いですね。

・解説=「兵庫・神戸のヒストリアン」 田辺眞人(園田学園女子大学名誉教授)

※ラジオ関西『田辺眞人のまっこと!ラジオ』2021年12月31日放送回、「田辺眞人のラジオレクチャー」より


(☆1)ラジオ関西『田辺眞人のまっこと!ラジオ』2021年12月24日放送「ラジオレクチャー」
・ラジトピ【なぜキリストの誕生日は「12月25日」とされる? 「きよしこの夜」を日本語訳したのは兵庫ゆかりの人】

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