2021(令和3)年に全国の海上で事故を起こした船舶が1970隻(前年比30隻増)、このうち、水上オートバイが78隻(前年比約1.5倍・27隻増)にのぼったことが海上保安庁のまとめでわかった。死者・行方不明者は68人(前年比29人減)。
第五管区海上保安本部(神戸市)によると、近畿・四国の7府県(※)では、事故船舶が全体の2割近くを占め338隻(前年比14隻増) 。このうち水上オートバイの事故が24隻(前年比約3.4倍・17隻増)と大きく増加した。死者・行方不明者は5人(前年と同数)。
水上オートバイの事故原因のトップは「衝突」。全体の約4割にのぼるという。
特徴的なものとして、兵庫県淡路市岩屋沖で2021年9月、3人乗りの水上オートバイが護岸に衝突、運転者を含む乗船していた3人が死亡した事故が挙げられる。神戸海上保安部は、運転していた男性(当時28)が、飲酒のうえ無免許で水上バイクを時速約100キロで走らせたとして、重過失致死・過失往来危険の疑いで容疑者死亡のまま書類送検した。
このほか同年11月、和歌山県みなべ町沖で釣り客10人を乗せた遊漁船が岩場に乗揚げた事故で、このうち8人が肋骨骨折、頭部裂傷などのけがをした。田辺海上保安部(和歌山県田辺市)によると、事故原因は遊漁船船長の居眠りによる見張り不十分だった。