暴力団員であることを隠し、新型コロナウイルス関連の融資金3千万円をだまし取った男が、兵庫県警に詐欺容疑で逮捕された。
逮捕されたのは、大阪市此花区在住の特定抗争指定暴力団「六代目山口組」系組員(50)。組員は自らが代表取締役である建設会社の運転資金名目で、大阪府の中小企業支援制度「新型コロナウイルス感染症対応資金」の融資を受けた。
兵庫県警によると、この制度をめぐって暴力団員がこの制度を悪用した事件での摘発は全国初とみられるという。
組員は2020年11月、この制度を利用するため大阪市企業支援課に申告して同月の会社の売り上げが、前年比15%、約130万円減少したなどと虚偽申告し、2021年2月、大阪市内の銀行から会社名義の口座へ3千万円を振り込ませた疑いが持たれている。虚偽申告については「よくわからない」と述べ、暴力団員であることを隠したことについては認めているという。
この制度は新型コロナの影響で経営に影響を受けた大阪府内の中小企業向けに、保証料不要、3年間無利子で融資を受けられるもの。都道府県により名称が異なる。大阪府ではすでに受付けが終了している。