目印となり、伝説も持つ六甲山のパワースポット「石宝殿」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

目印となり、伝説も持つ六甲山のパワースポット「石宝殿」

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 神功皇后が朝鮮半島から神様の石を持ち帰り、ミツバウツギの木の根元に黄金の鶏と一緒に埋めたという伝説があり、毎年元旦の夜明け前に、その鶏の鳴き声が六甲の山々に響き渡ると伝えられています。

神功皇后

 さらに、石宝殿がある場所は、東六甲のさまざまな川の最上流近くにありますから、江戸時代の人たちにとっては、水の神様の住まいでした。

 今から50年ほど前に、東神戸で聞き書きをしたのですが、摂津本山駅東の旧小路村の人は、水不足の時には石の祠で般若心経を唱え、それでも降らなければ、芦屋川の最上流で採った沢蟹を石の祠に塗すり付けてすり潰したと話してくれました。「神様は汚れを洗い流すために大雨を降らすので、すぐにびしょぬれになるよ」と。

 同様に、唐櫃や上ヶ原でも石宝殿で蟹をすり潰したことが伝えられています。摂津本山の旧田辺村では、蟹ではなく、アマガエルのつがいをすり潰ぶして雨乞いをしたと伝承されていました。

 今でも、水不足の夏になると水道局の人がお参りにくるそうです。また、“水商売”をされている女性も参詣にくるという石宝殿。いわゆるパワースポットなのです。

 ところで、金の鶏の伝説=金鶏伝説は日本各地に、またロシアや中国など海外にもあります。なぜでしょうか?

 古事記によると、天岩戸に逃げ込んだアマテラスオオミカミに出てきてもらおうとさまざまな手を使いますが、その1つに鶏を鳴かせるという策があります。我々は、明るくなったから鶏が鳴くと知っていますが、昔の人は逆で、鶏に太陽を呼び出す力があると考えていたのです。

 六甲山で元旦の夜明け前に鶏が鳴くという言い伝えも、新しい年の太陽を呼んでいるということなのですね。そのような伝説を持つ石宝殿が、六甲山の山頂にあります。

六甲山神社の立札
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