1年を通して手に入る納豆にも「最も新鮮な時期」があるって、ご存じですか? 実は今がまさにその時期、“旬”なんです。そこで、日々納豆の研究を重ねている全国納豆共同組合連合会に取材しました。納豆の“マメ”知識や、発見につながる“粒立った”情報を紹介します。
【納豆マメ知識(1) 今が“旬”と言われる理由】
■新穀大豆を使った納豆が店に並ぶ
大豆の収穫シーズンは10月下旬から12月頃。そこから1~2か月ほど貯蔵庫で寝かせ、自然乾燥で水分を飛ばして旨味を凝縮します。そして、大豆に納豆菌を混ぜて40℃前後で保温し、2日ほど発酵させれば初物の納豆が完成。店頭に並ぶのが1月~2月と、ちょうどこの時期なのです。
■納豆の需要が最も高いのが「冬」だったことがあった
冬に魚が手に入らない寒い地域では、納豆が唯一のたんぱく源として重宝されていました。(ちなみに現在も、気温が納豆に影響しない涼しい時期によく売れるそうです)
ということで、「今が旬」と言えるのですね。
【納豆マメ知識(2) 和×洋でさらにおいしく】
ここからは、2つの食べ方を紹介します。納豆を毎日のように口にし、あらゆる食べ方を年中試している“納豆のプロ”が「これだけ覚えておいて!」と太鼓判を押すレシピです。
■オリーブオイル×トマト
1~2cm角の食べやすいサイズに切ったトマトを納豆に加え、オリーブオイルを回しかけ、よく混ぜるだけ。トマトの爽やかな酸味と納豆のコクとの相性が良く、箸が進みそう。
■パルメザンチーズ×胡椒
長時間熟成され、濃い味わいが特徴のパルメザンチーズを納豆にたっぷりと入れ、胡椒を好みの量ふりかけます。チーズの濃厚さと胡椒の刺激が、納豆のうまみを際立たせます。
さて、そんな納豆は「食卓の定番」とされますが、関西では食べる習慣がない人も多いよう。地域別の消費量を見ると、多い順に、1位福島市、2位水戸市(茨城県)、3位盛岡市(岩手県)と、東日本が上位を占めています。それに対しワースト3は、1位和歌山市、2位大阪市、3位神戸市(兵庫県)と関西勢が並んでいます。(引用:総務省「都道府県庁所在市別の納豆年間購入額(令和元年)」)
この東西の違いは一体どこからくるのでしょうか?
【納豆マメ知識(3) 東西と納豆の関係 ~歴史的背景~】
その昔、東日本では冬に魚が手に入りにくく、たんぱく質を補うために納豆をよく食べていました。東京では、戦前から戦後にかけて「納豆売」が町を歩いていたこともあり、身近な存在だったのだそうです。一方、西日本では、瀬戸内海などで冬も十分な漁獲量があり、たんぱく源に事欠かなかったことから、納豆はあまり普及しませんでした。そして、親が食卓に並べないので子供も食べる習慣がない、という流れが現代まで続いているようです。(※諸説あります)
最後に、納豆を知り尽くすプロに、“粘って粘って”聞き出した裏技をお伝えします。
【納豆マメ知識(4) 納豆嫌いを納豆好きにするワザ】