本物のような味や見た目を再現した練り製品「ほぼシリーズ」(カネテツデリカフーズ、本社:兵庫県神戸市)に、2月、新商品「ほぼいくら」が期間限定で加わる。発売前から話題となり、オンラインストアでの予約は瞬く間に定数に達した。開発の背景には、ただ「おいしいものを」というに留まらない思いがあったという。
「ほぼいくら」は、ぷちぷちとした食感と彩りで、まるで本物のいくら醤油漬けのような味わいが特長。しかし、単にいくらの代替品として開発されたのではない。
いくらといえばサケの卵だが、近年、地球温暖化の影響による海水温の上昇で、サケが記録的な不漁になっている。そのために、いくらの価格も高騰が続くと予想されているほど。そこで、「海の資源を守ることにつながるのではないか」(カネテツ担当者)との思いで開発されたのが「ほぼいくら」だった。
加えて、「食卓で家族みんなに同じものを食べてほしい」との考えもあったと、担当者は話す。いくらは祝いの席で食材として使われることも多いが、アレルギーがあり食べることができない子どももいるためだ。
「ほぼシリーズ」は、2014年から昨年2021年にかけて、カニ、ホタテ、エビフライ、カキフライ、うなぎなどが世に送り出されてきた。その中でも、「ほぼいくら」は特に反響が大きく、カネテツの公式オンラインストアで1月20日に予約販売を始めたところ、あっという間に予定数に達した。担当者も驚いたという。
全国のスーパーマーケットなどでの販売は、2022年2月25日(金)から3月3日(木)までの期間限定。1パック50グラムでオープン価格。担当者は、「生産には手間がかかり大量生産が難しい。今回はひな祭りのタイミングに合わせての販売となったが、今後、歳時(季節)のタイミングに合わせて販売していけたら」としている。