ドラマ『鎌倉殿の13人』を機に考える 「征夷大将軍」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ドラマ『鎌倉殿の13人』を機に考える 「征夷大将軍」

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 1月から放送中のNHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に登場している源頼朝は、鎌倉幕府の初代将軍ですが、初めて任命された「征夷大将軍」は、奈良時代末期の大伴弟麻呂(おおとものおとまろ)で、2代目が平安時代初期に東北を平定した坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)です。

源頼朝

 坂上田村麻呂は、お父さんが京都の松尾大社に「強い男の子を授けてください」とお願いし誕生したそうです。また、宝塚市山本の松尾神社にもゆかりがあり、宝塚には「坂上」さん、「阪上」さんというお名前が多いです。

京都 松尾大社

 さて、征夷大将軍とは、律令制度の「令(りょう)」に定められていない官職。朝廷に従わない、東北地方の「蝦夷(えぞ)」とよばれる人々を鎮圧するため緊急に設けられた総司令官で、「令」の規定外ですから、「令外官(りょうげのかん)」と呼ばれています。想定外の大混乱を治めるため緊急に設けられた法律外の役職ですので、武器を持つすべての人に法を超えた命令が出せる、武士なら誰しもが憧れるポストでした。

 鎌倉幕府では、源頼朝は息子に世襲させて3代続き、その後、藤原氏が2代続いた後、親王が4代征夷大将軍になります。室町時代には、源氏一門の足利氏の将軍が15代続きました。そして江戸時代には、源氏一門の新田の流れをくむと称した徳川家康が征夷大将軍になった後、15代にわたって徳川将軍が続きました。

徳川家康

「幕府」とは、例えば戦場に設けたテント張りの作戦会議室のようなもの。ですから、混乱が鎮まったら無くなる存在でした。そんなところで政治をすることがそもそも法外な話で、子どもに継がせる、15代も続く…なんて本来はありえない話です。

 最後の徳川15代将軍の慶喜はたった1年で大政奉還しましたが、歴史に残る将軍ですね。私が関心をひかれるのは、武家政治家として史上最大の力と地位を築いた足利義満です。皆さんは、どの将軍が好きですか?

足利義満が建てた金閣寺
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田辺眞人のまっこと!ラジオ | ラジオ関西 | 2022/01/28/金 15:00-16:00

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