ワイドFM(FM補完放送)の場合はどうでしょう? FMは「直接波」(空間を直線して伝搬する電波)がメインです。 FMの電波の特性は、見通しが効けば受信が良好になること。そのため、航空機での感度が良かったようです。
電波は、距離と周波数の2乗に比例して減衰します。遠距離で受信する場合も、工夫すれば、距離の隔たりにより弱くなった電波を効率的に受信できます。例えば、送信アンテナを見通せるような十分な高さを確保する、効率的な受信アンテナを用いる、周辺で同じ周波数を使用しているラジオ局、雑音となる電磁波を発する機器を避ける……などです。
ラジオ関西を九州でも受信できたのは、九州や近隣の外国などに、ラジオ関西のFM周波数91.1MHzと同一周波数の放送局がないことが理由である可能性が高いと考えられます。また、九州には91.0MHzという隣接周波数の放送局があるものの、受信したラジオの性能が良く、十分に“選択分離”できたのではないかとも推測されます。
飛行機は離着陸の時をはじめ、携帯電話など電波を発信する電子機器を使用できない場合が多いので、各航空会社の規定に従ったうえ、移動中などに遠距離受信を試してみるのもおもしろいですね。
※1 「ベリフィケーションカード」の略。英語表記は「Verification Card」。「受信確認証」あるいは「受信証明書」のことで、受信した放送が、その放送局のものであることがわかるような内容を受信報告書として放送局に送付すると発行される。
※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』 2022年2月6日放送回より
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【放送音声】2022年2月6日放送回