兵庫県警は15日、1367億7582万円の2022年度当初予算案(前年度比2.2%マイナス)を発表した。直近10年間(2013年以降)では4番目の規模。最大は2021年度(昨年度)の1397億8775万円で最大だった(最小は2013年度の1258億1299万円)。
マイナス分は尼崎南警察署(兵庫県尼崎市昭和通)の建て替え工事に伴う費用をめぐる前年度との差額25億9000万円(2021年度に27億円を盛り込む)と、退職見込みの職員減少による退職手当2億6518万3000円など。尼崎南署の新庁舎は2022年度中に完成予定。
新規事業としては5つの柱を挙げた。
このうち2022年11月に明石市で開催予定の「全国豊かな海づくり大会」にともなう警備対策費の7198万5000円が最大。テロなど突発事案に対処するためのもので、2700万円分が金属探知機のリース費用と大きなウエイトを占める。
このほか、暴力団組員の組織からの離脱支援や就労支援などを行い、トラブル時には元組員を雇用した企業への補償金を支払う「暴力団離脱者損害補償金制度」の拡充として100万円を計上。県費でまかなうのは初めてとなる。
2021年度までは公益財団法人・暴力団追放兵庫センター(神戸市中央区)に対する予算として計上されていた。
兵庫県警によると、1992年に暴力団対策法が施行されて以降、組織を離脱、就労した元暴力団組員は兵庫県内でのべ56人。元組員を雇用した際に支給金が出る制度への「協賛企業」は48社にのぼる。
兵庫県には、特定抗争指定暴力団「六代目山口組」と、分裂した「神戸山口組」の本拠地がそれぞれ神戸市にある。分裂から7年経ち、離脱希望者がさらに増える可能性があり、対策が急がれる。