塩野義製薬(本社・大阪市中央区)は25日、開発を進めていた新型コロナウイルスの軽症・中等症患者に向けた飲み薬タイプの治療薬 「S―217622」 について、厚生労働省に薬事(製造販売)承認を申請したと発表した。(※記事中画像は塩野義製薬提供)
承認が得られれば国内企業で初の経口薬(飲み薬)となる。 世界では米メルク、米ファイザーに続く3番目。
塩野義製薬は、変異株「オミクロン」に対しても有効性が期待できるとしている。昨年(2021年)9月に最終段階の臨床試験(治験)を開始しており、安全性や有効性が確認された。
医療関係者からは「早期治療につながり、感染拡大時の医療体制のひっ迫を解消できる可能性が高い」と期待されている。 最終段階の治験が続いており、中間解析結果に基づく申請で、治験完了前の段階でも実用化を可能とする「条件付き早期承認制度」が適用されるか注目される。
塩野義製薬はすでに製造を開始しており、3月末までに100万人分を提供できる体制を目指す。
新型コロナの治療薬をめぐっては、厚生労働省が昨年12月に米メルクの飲み薬「モルヌピラビル」を特例承認。さらに今年2月10日には米ファイザーの飲み薬「パキロビッド」も特例承認された。